de novo転移乳がん、治療を受けない場合の生存期間

提供元:ケアネット

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公開日:2024/03/13

 

 新規に転移のある乳がん(dnMBC)と診断され、その後治療を受けなかった患者の全生存期間(OS)中央値は2.5ヵ月と、1回以上治療を受けた患者の36.4ヵ月に比べて有意に短かったことが、米国・Duke University Medical CenterのJennifer K. Plichta氏らの研究でわかった。Breast Cancer Research and Treatment誌オンライン版2024年3月5日号に掲載。

 本研究では、2010~16年における成人dnMBC患者を米国・National Cancer Databaseから抽出し、1回以上治療受けた患者(治療あり群)と理由にかかわらず治療を受けなかった患者(治療なし群)に層別化した。OSはKaplan-Meier法を用いて推定し、OSに関連する因子はCox比例ハザードモデルを用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・5万3,240例のdnMBC患者のうち、治療ありが92.1%、治療なしが7.9%だった。
・治療なし群は、年齢が高く(中央値:68歳vs.61歳、p<0.001)、合併症スコアが高く(p<0.001)、トリプルネガティブの割合が高く(17.8% vs.12.6%)、疾病負荷が高かった(転移部位2ヵ所以上:未治療38.2% vs.既治療29.2%、p<0.001)。
・OS中央値は治療あり群が36.4ヵ月、治療なし群が2.5ヵ月であった(p<0.001)。
・治療なし群のOS悪化に関連する因子は調整後、高齢、高い合併症スコア、高い腫瘍悪性度、トリプルネガティブ(vs.HR+/HER2-)が挙げられた(すべてp<0.05)。

 本研究の結果、治療を受けなかったdnMBC患者は、高齢で、合併症があり、臨床的にアグレッシブながんが多く、治療なし患者の予後は治療あり患者と同様、選択された患者および疾患特性と関連していた。著者らは「治療しなかったdnMBCの予後は悲惨」としている。

(ケアネット 金沢 浩子)