日本人結節性痒疹、ステロイド外用薬使用下のネモリズマブの有用性は?

提供元:ケアネット

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公開日:2024/05/29

 

 日本人の結節性痒疹患者におけるネモリズマブの長期投与の最適用量、有効性、安全性を評価した国内第II/III相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験の結果が報告された。本試験では、試験開始前のステロイド外用薬の継続下においてネモリズマブ30mg、60mgの有用性をプラセボと比較した。その結果、ネモリズマブ群で結節性痒疹のそう痒や皮膚症状の改善が認められた。東京医科歯科大学皮膚科の横関 博雄氏らNemolizumab-JP11 Study GroupがBritish Journal of Dermatology誌オンライン版2024年4月17日号で報告した。

 本試験は、高用量ステロイド外用薬による治療を実施したにもかかわらず、中等度以上のそう痒(かゆみスコア3以上かつPeak Pruritus Numerical Rating Scale[PP-NRS]7以上)を有する13歳以上の日本人結節性痒疹患者を対象とした。対象患者を、ネモリズマブ30mg群(初回投与のみ60mg)、同60mg群(本邦承認外用量)またはプラセボ群に1対1対1の割合で無作為に割り付け、4週間ごとに16週間投与した。対象患者はいずれもステロイド外用薬を併用した。

 有効性の主要評価項目は、投与開始16週後のPP-NRS週平均の変化率。有効性の副次評価項目は、そう痒、結節性痒疹の重症度、睡眠、QOLなどであった。なお、本試験は2020年12月に開始され、データ解析は2022年5月に行われた。16週の治療完了後、適格患者は52週の長期試験に組み込まれ追跡された。

 主な結果は以下のとおり。

・230例が対象となり、ネモリズマブ30mg群に77例、同60mg群に76例、プラセボ群に77例が割り付けられた。
・投与開始16週後のベースラインからのPP-NRS週平均の変化率(最小二乗平均値)は、ネモリズマブ30mg群-61.1%、同60mg群-56.0%、プラセボ群-18.6%であった。
・ネモリズマブ群とプラセボ群のPP-NRS週平均の変化率の群間差は、30mg併用群が-42.5%(95%信頼区間[CI]:-51.9~-33.1、p<0.0001)、60mg併用群が-37.4%(-46.7~-28.1、p<0.0001)であり、いずれも統計学的に有意な差が認められた。
・ネモリズマブ群は、プラセボ群と比較して、結節性痒疹の重症度、睡眠、QOLの改善が大きかった。
・ネモリズマブの忍容性は、両用量群とも良好であった。

(ケアネット)