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ドセタキセル後のアビラテロン+カバジタキセル、転移を有する去勢抵抗性前立腺がんでPFS改善(CHAARTED2)/ASCO2024

提供元:ケアネット

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公開日:2024/06/05

 

 ドセタキセル治療歴のある、転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者において、アビラテロンとカバジタキセルの併用療法が無増悪生存期間(PFS)を有意に改善した。米国・ウィスコンシン大学カーボンがんセンターのChristos Kyriakopoulos氏が、第II相無作為化非盲検EA8153(CHAARTED2)試験の結果を、米国臨床腫瘍学会年次総会(2024 ASCO Annual Meeting)で報告した。

・対象:去勢感受性前立腺がん(CSPC)に対する3サイクル以上のドセタキセル治療歴のあるmCRPC患者(ECOG PS>2、CRPCに対する治療歴、Grade≧2の末梢性ニューロパチーを有する患者は除外)
・試験群(カバジタキセル併用群):カバジタキセル(25mg/m2を3週ごとに最大6サイクルまで静脈内投与)+アビラテロン(1,000mgを1日1回)+プレドニゾン(5mgを1日2回) 111例
・対照群(アビラテロン単独群):アビラテロン+プレドニゾン 112例
・評価項目:
[主要評価項目]PFS
[主要な副次評価項目]PSA反応、PSA増悪までの時間(TTPP)、全生存期間(OS)、安全性と忍容性

 主な結果は以下のとおり。

・ベースラインにおける患者特性は両群でバランスがとれており、年齢中央値は64(41~80)歳、PS 0が58.3%、Gleasonスコア8~10が83.1%、アンドロゲン除去療法(ADT)開始からCRPCへの進行までの期間≦12ヵ月が50.9%、high-volume diseaseが76.0%、診断時に内臓転移ありが24.2%であった。
・追跡期間中央値47.3ヵ月において、PFS中央値はカバジタキセル併用群14.9ヵ月vs.アビラテロン単独群9.9ヵ月となり、カバジタキセル併用群で有意に改善した(ハザード比[HR]:0.73[80%信頼区間[CI]:0.59~0.90]、p=0.049)。
・PFSのサブグループ解析の結果、65歳未満(15.6ヵ月vs.9.8ヵ月、HR:0.65)、PS 0(20.9ヵ月vs.10.1ヵ月、HR:0.56)、CRPCへの進行までの期間≦12ヵ月の患者(12.9ヵ月vs.5.1ヵ月、HR:0.56)、および内臓転移のない患者(18.1ヵ月vs.10.1ヵ月、HR:0.62)でより顕著なベネフィットがみられた。
・ベースラインから12週のPSAの変動について、カバジタキセル併用群の89%、アビラテロン単独群の77%で減少がみられた(p=0.03)。治療中のPSA nadir中央値はカバジタキセル併用群1.0ng/mL vs.アビラテロン単独群3.7ng/mLであった(p=0.002)。
・TTPP中央値は、カバジタキセル併用群10.0ヵ月vs.アビラテロン単独群6.1ヵ月となり、カバジタキセル併用群で良好であった(HR:0.60[95%CI:0.44~0.83]、p=0.002)。
・OS中央値は、カバジタキセル併用群25.0ヵ月vs.アビラテロン単独群26.9ヵ月となり、両群で差はみられなかった(HR:0.93[95%CI:0.68~1.29]、p=0.67)。ただし、本研究はOSに対する検出力が不足していた。
・カバジタキセル併用群で多くみられたGrade3以上の治療関連毒性は、好中球数減少(10.1% vs.0%)、白血球数減少(8.3% vs.0%)、貧血(6.4% vs.0.9%)、疲労(5.5% vs.1.9%)であった。

 Kyriakopoulos氏は、アビラテロンおよびプレドニゾンにカバジタキセルを追加することでPFSを有意に改善し、併用による安全性上の新たな懸念は確認されなかったが、mCSPCに対する2剤および3剤併用療法の導入による治療環境の変化で、今回の結果の適用は限定的な可能性があるとまとめている。

(ケアネット 遊佐 なつみ)

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