アストラゼネカは2024年6月25日、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)の「用法及び用量に関連する注意」などにおける記載を変更し、電子化された添付文書(電子添文)を改訂したと発表した。EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん(NSCLC)治療薬としてオシメルチニブと化学療法との併用療法が可能となる。
今回の改訂は、EGFR変異陽性NSCLC1次治療におけるオシメルチニブと化学療法の併用治療とオシメルチニブ単剤治療を比較した第III相FLAURA2試験の結果に基づくもの。試験の結果、同剤と化学療法の併用が可能と判断された。
FLAURA2試験ではオシメルチニブと化学療法の併用がオシメルチニブ単剤に対し、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を有意に改善した(ハザード比:0.62、95%信頼区間:0.49~0.79、p<0.0001)。
EGFR変異陽性NSCLCの1次治療において、オシメルチニブ投与により臨床転帰は改善するものの、大部分の患者では病勢進行が認められる。オシメルチニブの耐性化を抑制できるより有効性・安全性の高い治療法が求められるなか、オシメルチニブ併用療法群は単剤療法を上回るPFSが認められたこととなる。
「用法及び用量に関連する注意」の改訂
「他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない」の記載を削除し、「本剤を他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合、併用する他の抗悪性腫瘍剤は「17.臨床成績」の項の内容を熟知し選択すること」に変更。
(ケアネット 細田 雅之)