ドライフルーツの摂取が2型糖尿病の発症に及ぼす影響については、議論が分かれている。そこで、中国・西安交通大学のJianbin Guan氏らはメンデルランダム化解析を用いた研究を実施した。その結果、ドライフルーツの摂取は2型糖尿病の発症リスク低下と関連することが示された。本研究結果は、Nutrition & Metabolism誌2024年7月10日号で報告された。
本研究では、ドライフルーツの摂取に関連する遺伝子データは、UKバイオバンクに登録された約50万例のうち、ドライフルーツの摂取に関するデータが得られた42万1,764例から取得した。2型糖尿病に関する遺伝子データは、IEU GWASデータベースに登録された2型糖尿病患者6万1,714例、対照59万3,952例から取得した。主な解析方法として、逆分散加重(IVW)法を用いて、ドライフルーツの摂取と2型糖尿病のリスクとの関連を検討した。
主な結果は以下のとおり。
・ドライフルーツの摂取と関連があり、操作変数の条件を満たす一塩基多型(SNP)が36個抽出された。
・IVW法を用いた解析において、ドライフルーツの摂取は2型糖尿病リスクを有意に低下させた(ドライフルーツの摂取量が1標準偏差増加するごとのオッズ比[OR]:0.392、95%信頼区間[CI]:0.241~0.636、p=0.0001)。
・加重中央値法を用いた解析においても、ドライフルーツの摂取は2型糖尿病リスクを有意に低下させた(OR:0.468、95%CI:0.306~0.717、p=0.0003)。
・感度分析において、36個のSNPには異質性がみられたが、水平多面発現(horizontal pleiotropy)によるバイアスは認められず、leave-one-out解析ではいずれのSNPを1個除外しても解析結果に影響を及ぼさなかったため、メンデルランダム化解析の頑健性が確認された。
(ケアネット 佐藤 亮)