夜型クロノタイプは、うつ病発症リスクが高いといわれている。この影響は、主にうつ病の初期と関連するのか、再発エピソードでも見られるのかはわかっていない。中国・上海交通大学のShuang Hu氏らは、うつ病患者におけるクロノタイプとうつ病重症度との関連が、初回エピソードと再発エピソードで同様であるかを調査した。Chronobiology International誌2024年7月号の報告。
対象は、うつ病患者386例(女性の割合:70.7%、年齢範囲:16〜64歳)。クロノタイプ、睡眠の質、疲労レベル、うつ病重症度の評価には、朝型夜型質問紙(MEQ)、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)、Multidimensional Fatigue Inventory(MFI20)、簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)をそれぞれ用いた。クロノタイプとうつ病重症度との関連を分析するため、多変量回帰モデルを用いた。
主な結果は以下のとおり。
・クロノタイプ、睡眠の質、疲労レベルは、いずれもうつ病重症度と関連していることが示唆された。
・夜型クロノタイプは、初回エピソードのみで、睡眠の質および疲労レベルとは独立してうつ病重症度の有意な増加を予測したが(−0.068、p=0.010)、再発エピソードでは認められなかった(0.013、p=0.594)。
著者らは「サーカディアンリズムに焦点を当てた治療は、初回エピソードのうつ病患者のみで検討することが妥当である」としている。
(鷹野 敦夫)