SGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬、食事や体重の変化の違い

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2024/09/16

 

 2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬によるエネルギー摂取量や糖尿病関連指標に対する影響の違いは不明である。今回、奈良県立医科大学附属病院臨床研究センターの五十川 雅裕氏らがカナグリフロジンとテネリグリプチンによるエネルギー摂取量と体重の変化を比較した結果、エネルギー摂取量への影響は逆で、体重についてはカナグリフロジンでのみ有意に減少した。BMC Endocrine Disorders誌2024年8月19日号に掲載。

 本解析は日本人2型糖尿病患者においてカナグリフロジンとテネリグリプチンのメタボリックリスク因子に与える効果を比較したCANTABILE試験のサブ解析である。ヘモグロビンA1c(HbA1c)、エネルギー摂取量、体重などの糖尿病関連指標におけるベースラインから24週までの変化を、カナグリフロジン群(75例)とテネリグリプチン群(70例)で比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・HbA1cは両群とも有意に低下した。
・テネリグリプチン群では、エネルギー摂取量は有意に減少したが、体重に有意な変化はみられなかった。
・カナグリフロジン群では、エネルギー摂取量は増加傾向だったが、体重は有意に減少した。

 今回の結果から、著者らは「カナグリフロジンは、エネルギー摂取量が増加しても体重増加なしに血糖管理が可能であることが示唆された」としている。

(ケアネット 金沢 浩子)