中等症~重症の尋常性乾癬、経口TYK2阻害薬zasocitinibが有望

提供元:ケアネット

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公開日:2024/09/18

 

 チロシンキナーゼ2(TYK2)に高い選択性を示すアロステリック阻害薬zasocitinib(TAK-279)は、尋常性乾癬の新たな経口治療薬として有望であることが示された。米国・カリフォルニア大学のApril W. Armstrong氏らが、海外第IIb相二重盲検無作為化比較試験の結果を報告した。本試験において、1日1回5mg以上のzasocitinibはプラセボと比較して、12週間にわたり良好な皮膚症状の改善が認められた。JAMA Dermatology誌オンライン版2024年8月21日号掲載の報告。

 研究グループは、中等症~重症の尋常性乾癬患者を対象としてzasocitinibの有効性、安全性および忍容性を評価することを目的に、2021年8月11日~2022年9月12日の期間に米国47施設とカナダ8施設で試験を実施した。

 本試験は、12週間の治療期間と4週間のフォローアップ期間で構成された。適格基準は、18~70歳、Psoriasis Area and Severity Index(PASI)スコア12以上、Physician’s Global Assessmentスコア3以上、尋常性乾癬の皮疹面積が体表面積(BSA)の10%以上などであった。

 被験者を1日1回zasocitinib 2mg、同5mg、同15mg、同30mgまたはプラセボを投与する群へ無作為に均等に割り付け、12週間投与した。

 主要有効性エンドポイントは、12週時点におけるPASI 75(ベースラインから75%以上改善)達成率とした。副次有効性エンドポイントは、PASI 90(ベースラインから90%以上改善)達成率、PASI 100(PASIスコア0)達成率などとした。安全性エンドポイントは試験治療下における有害事象(TEAE)、重篤な有害事象(SAE)、臨床検査値などとした。

 主な結果は以下のとおり。

・287例が無作為化され、259例(平均年齢47[SD 13]歳、女性82例[32%])が少なくとも1回以上の試験薬の投与を受けた。
・12週時点におけるPASI 75達成率は、zasocitinib 2mg群18%(9例)、同5mg群44%(23例)、同15mg群68%(36例)、同30mg群67%(35例)、プラセボ群6%(3例)であった。
・PASI 90達成率は、zasocitinib 2mg群8%(4例)、同5mg群21%(11例)、同15mg群45%(24例)、同30mg群46%(24例)、プラセボ群0%であり、PASI 75と同様の用量反応性がみられた。
・PASI 100達成率は、zasocitinib 2mg群2%(1例)、同5mg群10%(5例)、同15mg群15%(8例)、同30mg群33%(17例)、プラセボ群0%であり、用量が多いほど達成率が高かった。
・TEAEはプラセボ群の44%(23例)に発現し、zasocitinibの4用量群では53%(15mg群の28例)~62%(2mg群の31例)に発現した。TEAEの発現率に用量反応性はなかった。SAEはzasocitinib 15mg群の1例のみに2件みられたが、治療薬との関連はないと判断された。臨床検査値に臨床的に意味のある経時的変化はみられなかった。

(ケアネット)