うつ病は、世界的に重大なメンタルヘルスの課題の1つである。中国・四川大学のYifei Tan氏らは、うつ病と炭水化物摂取カロリー比(CRC)との関連を明らかにするため、大規模な横断的研究を実施した。Journal of Affective Disorders誌2024年12月号の報告。
2005〜20年のNHANESデータベースのデータを用いて、Rプログラミング言語によりデータ分析を行った。うつ病の評価には、こころとからだの質問票(PHQ-9)を用いた。CRCは、総炭水化物摂取量の4倍を総カロリー摂取量で割ることにより算出した。CRCとうつ病との関連を調査するため、多変量ロジスティック回帰モデルおよび回帰スプラインモデルを用いた。
主な結果は以下のとおり。
・参加者データ9,254例中、1,530例がうつ病と診断された。
・CRCが高く、54.1%(人口レベルの第4四分位[Q4])超の場合、抑うつ症状レベルが上昇した。
・調整済み多変量ロジスティック回帰モデルでは、人口レベルの第1四分位(Q1)と比較し、Q4ではうつ病レベルが高く、うつ病リスクが高く、うつ病が人生に及ぼす影響が大きかった。
【うつ病レベルが高い】β=0.5102、95%信頼区間(CI):0.2419〜0.7784、p=0.0002
【うつ病リスクが高い】ハザード比(HR)=1.3380、95%CI:1.1331〜1.5812、p=0.0006
【うつ病が人生に及ぼす影響が大きい】HR=1.5133、95%CI:1.1656〜1.9746、p=0.0020
著者らは「米国成人において、CRCが高いほど、抑うつ症状の可能性が有意に高まることが示唆された」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)