卵や野菜の摂取が日本人のうつ病リスクと関連

提供元:ケアネット

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公開日:2024/02/26

 

 山形県立米沢栄養大学の北林 蒔子氏らは、日本人労働者における食品群別の摂取量とうつ病との関連を調査するため、アンケート調査を実施した。その結果、男性では卵、女性では卵と野菜(緑黄色野菜以外)の摂取がうつ病と関連している可能性が示唆された。BMC Nutrition誌2024年1月30日号の報告。

 2020年、日本人労働者568人を対象にアンケート調査を実施した。回答した503人中423人を研究対象に含めた。性別、年齢、BMI、残業時間、睡眠時間、婚姻状況、職位、運動習慣、喫煙状況、うつ病の発症および、エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、アルコール、食品群別の摂取に関する情報を収集した。うつ病の有無および重症度の評価には、うつ病自己評価尺度(CES-D)を用いた。食品群別の摂取量は、残差法を用いてエネルギー摂取量を調整し、性別ごとに、低、中、高に分類した。うつ病の有無を従属変数、食品群別の摂取量を独立変数とし、ロジスティック回帰分析により性別に応じたオッズ比(OR)と傾向を分析した。

 主な結果は以下のとおり。

・うつ病の調整ORが有意に高かったのは、以下のとおりであった。
●卵の摂取量が少ない男性
●他の野菜(緑黄色野菜以外)の摂取量が低~中程度の女性
●卵の摂取量が中程度の女性
・用量反応関係が確認され、男性では卵の摂取量が少ない場合(p for trend=0.024)にうつ病のORが有意に高く、女性では他の野菜(緑黄色野菜以外)の摂取量が少ない場合(p for trend=0.011)、卵の摂取量が少ない場合(p for trend=0.032)にうつ病のORが有意に高かった。

(鷹野 敦夫)