年齢やBMIはマンモグラフィ濃度(MD)に強く影響すると同時に乳がん発症リスクとも関連することが確立されているが、出産数、初産年齢、授乳歴とMDとの関連は明らかになっていない。今回、アイルランド・RCSI University of Medicine and Health SciencesのJessica O’Driscoll氏らが、International Consortium of Mammographic Density(ICMD)で検討した結果、出産数とMDは逆相関、初産年齢とMDは正相関し、乳がんリスクとの関連性と一致することが示された。Breast Cancer Research誌2024年9月30日号に掲載。
ICMDは、乳がんではない35~85歳の1万1,755人の女性の疫学・MDデータをプールした22ヵ国27研究の共同研究であり、40の国・民族の集団を網羅している。著者らは、集団群間のメタ解析およびプール解析を用いて、高濃度乳房面積/全乳房面積(PMD)、高濃度乳房面積(DA)、非高濃度乳房面積(NDA)の平方根(√)と出産数、初産年齢、授乳歴の有無、生涯授乳期間との線形回帰の関連を検討した。
主な結果は以下のとおり。
・これらの解析対象となった1万988人の女性のうち、90.1%(9,895人)で出産経験があり、うち13%(1,286人)が5回以上経験していた。初産時の平均年齢は24.3歳であった。
・出産数(1回増加当たり)は、√PMD(β:-0.05、95%信頼区間[CI]:-0.07~-0.03)および√DA(β:-0.08、95%CI:-0.12~-0.05)と逆相関し、この傾向は少なくとも出産が9回まで明らかであった。
・初産年齢(5歳増加当たり)は、√PMD(β:0.06、95%CI:0.03~0.10)および√DA(β:0.06、95%CI:0.02~0.10)と正相関し、√NDA(β:-0.06、95%CI:-0.11~-0.01)と逆相関した。
・出産経験のある女性において、授乳歴の有無・生涯授乳期間はMDとの関連は認められなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)