週末の寝溜め、認知機能障害リスクを上げる?下げる?

提供元:ケアネット

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公開日:2024/10/17

 

 高齢者を対象とした横断研究で、週末のキャッチアップ睡眠で認知機能障害リスクが70%以上低下する可能性が示唆された。台湾・National Taiwan Normal UniversityのChi Hsiao氏らがSleep Breath誌2024年10月号で報告した。

 本研究は、2020年9月~2022年12月に台湾・台北市の医療センターにおいて65歳以上で自立歩行が可能な参加者を登録し、自己申告による睡眠日誌と加速度計を用いて連続7日間の睡眠関連データを記録・測定した。週末キャッチアップ睡眠は、週末の平均睡眠時間から平日の平均睡眠時間を引いた時間とし、認知機能障害リスクはミニメンタルステート検査(MMSE)で評価した。週末キャッチアップ睡眠とMMSEスコアとの関連について二項ロジスティック回帰モデルを用いて検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・計215人(女性:53.0%、80.5±7.1歳、認知機能障害リスク:11.6%)を対象とした。
・性別、教育レベル、中~高強度の身体活動、加速度計の総装着時間で調整したモデルにおいて、睡眠日誌(オッズ比[OR]:0.26、95%信頼区間[CI]:0.09~0.69、p=0.007)と加速度計データ(OR:0.27、95%CI:0.10~0.70、p=0.007)から、キャッチアップ睡眠が認知機能障害リスクを73~74%低下させる可能性が示された。

 著者らは「この結果から、週末のキャッチアップ睡眠と認知機能障害のリスク低下が関連することが示唆された」としている。

(ケアネット 金沢 浩子)