うつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法、安定後は継続または中止?

提供元:ケアネット

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公開日:2024/11/21

 

 カナダ・トロント大学のRoger S. McIntyre氏らは、抗うつ薬治療とブレクスピプラゾール補助療法の併用により安定したうつ病患者における、ブレクスピプラゾール補助療法の継続または中止による再発までの期間を比較するため、第III相多施設共同二重盲検プラセボ対照並行群間ランダム化中止試験を実施した。Acta Neuropsychiatrica誌オンライン版2024年10月17日号の報告。

 対象は、2〜3回の抗うつ薬治療で効果不十分であったうつ病成人患者1,149例。すべての患者に対し、ブレクスピプラゾール2〜3mg/日による補助療法を開始した(第A相、6〜8週間)。症状が安定した患者(第B相、12週間)489例は、ブレクスピプラゾール補助療法群(継続群)240例またはプラセボ補助療法群(中止群)249例に1:1でランダムに割り付けられた(第C相、26週間)。主要エンドポイントは第C相における再発までの期間、副次的エンドポイントはうつ病評価尺度スコアの変化とした。

 主な結果は以下のとおり。

・再発までの期間中央値は、1回以上の投与を行った患者の場合、両群ともにランダム化から63日であった。
・再発基準を満たした割合は、継続群で22.5%(54例)、中止群で20.6%(51例)であった(ハザード比:1.14、95%信頼区間:0.78〜1.67、log-rank検定のp=0.51)。
・うつ病評価尺度スコアは、第A〜B相で改善し、その効果は第C相でも維持された。
・平均体重は、第A〜B相で2.2kgの増加が認められ、第C相では安定した。

 著者らは「再発までの期間は、ブレクスピプラゾール補助療法を継続した場合と中止した場合において、同程度であった。いずれも、安定したうつ病患者の80%において、最終診断時に再発が認められなかった。ブレクスピプラゾール補助療法は、最大46週間にわたり忍容性が良好であり、中止後の副作用も最低限であった」と結論付けている。

(鷹野 敦夫)