ノバルティス ファーマ株式会社は26日、3つの重要な第III相臨床試験の結果によると、スイス本社が開発中の気管支拡張薬であるQAB149(一般名:indacaterol)は慢性閉塞性肺疾患(COPD: Chronic Obstructive Pulmonary Disease)の患者において、臨床的に意味のある呼吸機能の改善が投与5分以内に認められ、しかも24時間持続することが明らかになったと発表した。
米サンディエゴで開催された米国胸部疾患学会(ATS: American Thoracic Society)2009年度国際会議で発表されたデータによると、長時間作用型β2刺激薬(LABA: long-acting beta2-agonist)であるQAB149は、投与初日から1年間にわたって呼吸機能を有意に改善したという。また、QAB149は投与された全ての用量において良好な忍容性と全般的に安全なプロファイルを有するということも明らかになったとのこと。
1日1回吸入のQAB149は、投与12週後にプラセボと比較して、全ての用量において主要評価項目である1秒量(FEV1: forced expiratory volume in one second)を有意に改善したという。この改善は、投与5分後には認められ、その後も各試験の全ての測定時点において認められたという。また、INVOLVE試験において、QAB149(300μgおよび600μg)のトラフFEV1(投与24時間後のFEV1)のプラセボとの差は、3ヵ月時点で170mL(300μg)および170mL(600μg)であり、70mLであったホルモテロール12μgに対して有意な改善(p<0.001)を示し、同様に1年時点においては、QAB149ではそれぞれ160mL(300μg)および150mL(600μg)であり、50mLであったホルモテロール12μgに対して有意な改善(p<0.001)が示されたという。
ATSで公表されたデータに加え、新たなデータによると、QAB149の150μgおよび300μgは、投与12週後のトラフFEV1において、オープンラベルのチオトロピウム18μgよりも、それぞれ50mLと40mLの改善を達成したと同社は発表している。この試験のより詳しい結果は、年内に発表予定とのこと。
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http://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20090526_02.html