機能性ディスペプシア治療剤Z-338の臨床薬理試験結果がDDW2009で発表される

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2009/06/18

 



6月に米国シカゴで開催された米国消化器病週間2009(DDW2009)において、世界で初めての機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia:FD)治療剤として開発中のZ-338(一般名:アコチアミド塩酸塩水和物)のオーストラリアで実施されたFD患者と健常人を対象とした臨床薬理試験結果が発表された。ゼリア新薬工業株式会社が15日に報告した。

この試験は、FD患者30名、健常人27名(評価症例数各26名)を対象にした、アコチアミド投与群(1回100mg、1日3回投与)およびプラセボ投与群のクロスオーバー二重盲検比較試験で、ドリンクテスト(アイソトープを含有する粘性のある栄養液剤を摂取し、撮像する試験)時に誘発される症状および胃排出能を検討したもの。

FD患者においてアコチアミド投与群の被験者の印象は、有意差は認められなかったものの、プラセボ投与群に対して約11%の改善が認められ、アコチアミド投与群は、ドリンクテスト時の上部消化管における不快感、痛み、膨満感、悪心および胃内容物の逆流等に、プラセボ投与群に対する有意な改善が認められたとのこと。また、FD患者の胃排出能に関しては、アコチアミド投与群とプラセボ投与群に有意差は認められなかったものの、アコチアミド投与群では、遅延していた胃排出能がほぼ健常人と同等レベルにまで改善されたという。

最近の調査では、国内の成人、4分の1にFDの症状が見られ、発現頻度の高い疾患であると報告されているが、これまでにFDを対象患者として有効性を証明し承認された医薬品はなく、アコチアミドは世界で初めてのFD治療剤となるのではと期待されているという。

詳細はプレスリリースへ
http://www.zeria.co.jp/image/upimg/mv12450476241.pdf