アリミデックス、閉経後乳がん術後療法の長期投与による骨折は増加傾向を示さず

提供元:ケアネット

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公開日:2009/07/15

 



アストラゼネカ株式会社は13日、閉経後乳がん術後療法におけるアリミデックスの骨折に関する国内レトロスペクティブ調査より、アリミデックスの長期投与によって骨折が増加する傾向は見られなかったと発表した。この調査報告は3日に東京で開催された第17回日本乳癌(がん)学会学術総会にて発表された。

同剤は、ホルモン感受性閉経後乳がん患者に対する術後療法の標準治療薬と位置付けられている薬剤で、日本においては使用成績調査結果から安全性・有効性が確立しているという。一方、同剤を含むアロマターゼ阻害剤(AI剤)はその薬理作用により投与後、骨粗鬆症や骨折が発現しやすいと考えられていて、平成19年3月、AI剤共通の注意喚起として、骨密度など骨状態を定期的に観察することが望ましいと添付文書に追記されたとのこと。

今回の同剤の骨折に関する国内レトロスペクティブ調査は、同社が同剤の骨への影響を明らかにすること、また日常診療下における骨密度の定期的な観察の実態を把握し、適正使用に関する情報を得ることを目的に実施。

同剤の使用成績調査に登録された術後療法の患者2,416名を対象とし、使用成績調査で収集されたデータと本調査で新たに収集されたデータをあわせて解析した結果、以下が明らかになった。

●全体の骨折率は1.13%/年(95%CI 0.90-1.41%/年)で、投与期間と骨折率に関連は認められなかった。

●年齢と関節炎、関節痛の既往が骨折の増加に寄与していた。
   ・年齢:75歳以上 vs 75歳未満 HR2.99 p<0.001
   ・関節炎・関節痛の既往:有 vs 無 HR2.75 P=0.029

●骨折の多発部位は腰椎、胸椎、大腿骨(頸部を含む)であり、骨折率はそれぞれ0.24%/年、 0.24%/年、0.13%/年であった。

詳細はプレスリリースへ
http://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/2009/09_07_13.html