【書籍紹介】『銀行に見殺しにされないための十箇条』―資金ショート危機から生還した病院

提供元:ケアネット

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公開日:2009/09/03

 



著者の井村健司氏(医療法人財団 暁 あきる台病院 副院長・企画室長)は、一昨年来、自院の経営がショートに向かっている兆候に気づき、さまざまな経営改善策を断行するとともに、最終的にはメインバンクからの決別を決意、某信用金庫の協力のもと、今春、8億円余りのリスケジュールを断行した。自院の経営状況と銀行の関係を包み隠さずオープンにすることで、同じような中小病院、中小企業が、メガバンクの横暴、無関心に繰り占められ、健全化への道が閉ざされている現実を世間に知らしめようと決意した。資金繰りに困っている病院、中小企業経営者必読の書。
 
主な内容
 
1章 想定外の現実
●悪化する資金繰り、資金消失
地獄のはじまりは梅雨時だった/このままでは法人は2年しかもたない!?/返す返すも手痛い機会のロス/小規模ながら善戦していたはずなのだが/資金繰り表が示す無情と謎/経営分析はドロ臭く、隅々まで/何が失敗だったのか?! 謎が謎を呼ぶ/明らかになった謎の一つ/資金消失のメカニズム/そして資金消失の謎が徐々に明らかに
●これまでの経営の瑕疵と誤謬を認識
私財も底を尽きた。崖の縁が見える/私財投入は1992年の投資の失敗が発端/ならば何をすればいい?/都市銀行の事情、金融機関再生法とリスケ/リスケはいまでは常識になっている?! しかし現実は……
 
2章 サバイバル
●できることはすべてやっていこう
やりやすいところから手をつける/給与3割カットで糊口をしのぐ/傷病手当の活用/支払いサイトを90日に。保険収入と統一/生命保険の解約/看板広告は契約期間満了でほとんどをカット/職員の力を借りる会議を活用/薬剤費の抑制は医師の自主性にゆだね、成果に期待/病棟、外来、ホームの成績を毎月確認/健診センターの混乱と成長
いよいよ病院の根幹部分にもメス
外来診療の「症候別」専門制へ/介護保険病棟を医療保険病棟にもどす/新たな医師の採用による増患/特定健診・保健指導のむずかしさとやりがい/リハやホーム利用者の疾病をつねに把握・追跡/介護保険の後押しもあり在宅部門の成長に期待/部門ごとに改善策、経常利益7~8%を目指す/定数管理と経理の合理化/当面は投資を控え、出費は計画的に
 
3章 内部改善の限界。次は?!
●銀行探しの旅がはじまる
メインバンクに三行半/徒歩30秒の砦から――AO信金との交渉/万全を期して次の砦へ――TM信金との交渉/3つ目の砦は門前払い。しかし、捨てたもんじゃなかった新銀行T
●刻々と過ぎる時間――過去は死者に属する触れられない時間
保全に苦しむ両信金/担保なんてみんな足りてないんだ!/担保のつぎは耐用年数の壁が立ちはだかる/連帯保証の不合理も踏み越えて、腹をくくらねば果実は落ちてこない/R銀行は年始のあいさつだけ。見殺しにするつもりなのか?/ショック! TM信金の断り
●新たな銀行、続々と?!
意外と少ない銀行という企業/直球ど真ん中だが張りぼてだった「長期借換資金」/あっさり、欲のない萎縮した銀行たち/貸し出し意欲満点のYC銀行/AO信金、最後の壁――当座貸越と個人資産担保の罠/YC銀行には何を期待する?/ついにカードが揃ったか!?
●決戦のとき、2つの闘い
R銀行の悪夢、一括繰上返済/Xデー決定、AO信金の冷静かつ緻密な力技/電話で宣戦布告/あくなき抵抗/夜半の闘い、後だしジャンケン/パートナーシップを説いた、あの役員までもが参戦/3月27日、Xデー。いざR銀行へ/その後、再びカードが揃う!?/闘いは第2ステージへ! 筋肉質の組織を目指す
 
4章 資金と銀行、至極の18戒 ――私が学んだ大切なこと
●資金繰りをめぐる6戒
●銀行とつきあうときの7つの鉄則
●人としての哲学5訓
 
判型 四六判/並製
頁 248
発行 2009年9月
定価 1,680円 (税込)
ISBN978-4-901450-10-2
 
詳細はこちらへ
http://www.jiyukobo.co.jp/publishing/index.html