乾癬患者の健康関連の生活の質(QOL)を評価する既存の患者報告アウトカム尺度(PROMs)のシステマティックレビューを行ったところ、全体に通用する健康に関する概念(以下、健康概念)として5つのドメインに分類できたとする研究結果が、「JAAD International」に1月10日掲載された。
米クリーブランドクリニックのHaya A. Homsi氏らは、システマティックレビューにより乾癬患者の健康関連QOLを評価するためのPROMsを特定し、その内容や使われている表現(ポジティブ/ネガティブ/中立的)の評価を行った。
特定されたPROMsは、乾癬特異的なものが13個、皮膚科特異的なものが2個、包括的なものが1個であり、これらに含まれている項目数として総計284項目が確認された。大半の項目がネガティブな表現を用いており、ポジティブな表現を用いているものはなかった(ネガティブ:227項目、79.9%、中立的:57項目、20.1%、ポジティブ:0項目、0%)。6個のPROMs〔Psoriasis Disability Index、Psoriasis Index Quality of Life、Psoriasis Life Stress Inventory、nail psoriasis quality of life scale(NPQ10)、psoriasis quality of life questionnaire(PSO-LIFE)、Skindex-16〕は、ネガティブな表現を用いた項目のみで構成されていた。
各PROMsが包含する項目は、ドメイン、サブドメイン、健康概念の3レベルでまとめられた。健康概念は、PROMsの各項目に平均2.28個(中央値2個)含まれ、重複を除くと総計295個が確認された。これらの健康概念はさらに、「身体的ウェルビーイング」「心理的ウェルビーイング」「社会的ウェルビーイング」「治療」「活力」の5ドメインのもと、25のサブドメインに編成可能であった。項目に占める割合が最も高かったのは「社会的ウェルビーイング」(115/284個、40.5%)であり、次いで多かったのは「心理的ウェルビーイング」(92/284個、32.4%)であった。
PROMsごとに、含まれているドメインは異なっていた。Psoriasis Quality of Life、Inverse Psoriasis Burden of Disease Questionnaire、Psodisk、QualiPso、Skindex-16、およびDermatology Life Quality Indexはドメインを最も包括的に取り入れていたが、5つのドメイン全てを包含するPROMsはなかった。また、いくつかのPROMsは、相対的に1つのドメインに重点を置いた作りとなっていた。例えば、Psoriasis Quality of Life-12では、75.0%(12項目中9項目)が、Psoriasis Index Quality of Lifeでは64.0%(25項目中16項目)が「心理的ウェルビーイング」にあてられていたのに対し、Psodiskでは「身体的ウェルビーイング」に重点が置かれていた。
著者らは、「PROMsにより得られる情報は、乾癬患者の実経験を理解する上で貴重だ。この情報は、臨床診療において患者ごとに個別化した疾患管理を向上させる上でも有用である」と述べ、さらに「今回の分析は、臨床医や研究者のニーズに最も適したPROMsを選択するための指針となる枠組みを提供するものだ」と結論付けている。
[2023年1月23日/HealthDayNews]Copyright (c) 2023 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら