若年期のテレビ視聴時間が45歳時のメタボリックシンドロームと関連

提供元:HealthDay News

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公開日:2024/01/10

 

 小児期から青年期にかけてテレビの平均視聴時間が長い人は、45歳時点でメタボリックシンドローム(MS)を有している確率が高まるという研究結果が、「Pediatrics」8月1日号に掲載された。

 オタゴ大学ダニーデン校医学部(ニュージーランド)のNathan MacDonell氏とRobert J. Hancox氏は、1972年および1973年に、ニュージーランドのダニーデンで生まれた住民ベースの出生コホートデータを用い、小児期から青年期のテレビ視聴時間と45歳時点のMSとの関連を調べた。対象者が5歳、7歳、9歳、11歳、13歳、15歳および32歳になった時点で、対象者の親または対象者自身から平日のテレビ視聴時間を尋ねた。

 45歳の時点で、MSの有無を調べ、また、心肺機能を評価するため、運動をさせて心拍数を計測し、VO2max(最大運動時の酸素消費量)を推定した。MSは、HbA1cが5.7%以上、腹囲が男性102cm以上、女性88cm以上、中性脂肪が200mg/dL以上、HDL-コレステロールが男性40mg/dL未満、女性50mg/dL未満、血圧が130/85mmHg以上または降圧薬を服用、のうち3つ以上を満たすものと定義した。生存していた参加者997人のうち870人(87%)からテレビ視聴時間とMSに関するデータを収集した。分析にはロジスティック回帰モデルとt検定を用いた。

 5歳から15歳までの平均テレビ視聴時間と45歳時点でのMSの関連を調べるため、まず、対象者を視聴時間で0~1時間、1~2時間、2~3時間、3時間以上の4つの群に分けたところ、視聴時間が長いほど、男女ともMSの割合が増加した。また、平均テレビ視聴時間が1時間増加した場合のオッズ比(OR)は、性別のみを調整すると1.33(95%信頼区間1.11~1.58、P=0.002)と有意な関連が見られ、次に、性別と社会経済的地位、5歳時点のBMIで調整しても1.30(同1.08~1.58、P=0.006)と有意であり続けた。

 さらに、32歳時点のテレビ視聴時間を調整因子に加えたところ、ORは1.26(同1.03~1.54、P=0.026)と有意であった上に、VO2maxの低下(係数-0.70、95%信頼区間-1.20~-0.19、P=0.007)とBMIの上昇(同0.59、0.11~1.06、P=0.016)のいずれとも有意に関連していた。

 以上から著者らは、「今回の研究結果から、小児期から青年期のテレビ視聴時間が長いと、中年期のMSリスクが上昇する可能性が示唆され、若年期のテレビ視聴は健康に長期的な悪影響を与えるという仮説が裏付けられた」とし、「小児期から青年期のスクリーンタイムを減らすための介入は、健康に対して長期にわたり良い影響を与えるだろう」と述べている。

[2023年7月24日/HealthDayNews]Copyright (c) 2023 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら