関節リウマチ(RA)患者において、検出可能なレベルの高感度心筋トロポニンT(hs-cTnT)は、主要心血管イベント(MACE)および全死亡のリスク上昇と関連するとするリサーチレターが、「The Journal of Rheumatology」に6月15日掲載された。
米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のBrittany N. Weber氏らは、RA患者331人を対象に、検出可能なhs-cTnTの臨床的に確立された閾値と、MACE(急性冠症候群、脳卒中、心血管死)および全死亡との長期的関連を検討した。
ベースラインの時点で、10年間のアテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)リスクの中央値は3.87%と推定された。解析の結果、検出可能なhs-cTnTを有した患者は117人(35.3%)であった(中央値8.98mg/dL)。10年間でMACEは16例(4.8%)、全死亡は50例(15.1%)確認された。検出可能なhs-cTnTと将来のMACEとの間には関連が認められた(ハザード比7.13)。この有意な関連は、ASCVDリスクとlog高感度CRP(hsCRP)による調整後(同4.29)、およびASCVDリスクとDisease Activity Score in 28 joints based on CRP(DAS28-CRP)スコアで調整後(同5.79)も持続した。検出可能なhs-cTnTと全死亡にも同様の関連が見られ(同7.2)、調整後もそれぞれ持続した(同4.18、4.74)。ASCVDリスクスコアは単独でMACEと有意に関連していた。
著者らは「今回の結果から、ASCVDリスクが全体的に低いと推定されるRA患者の心血管リスク評価を改善するマーカーとして、hs-cTnTが有用である可能性が示唆される」と述べている。
なお複数人の著者が、製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。
[2024年6月27日/HealthDayNews]Copyright (c) 2024 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら