ヨガはうつ病補助治療の選択肢になりうるか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/09/25 ヨガは、うつ病患者またはうつレベルが高い人の補助的治療の選択肢となりうることが、ドイツ・デュイスブルグ-エッセン大学のHolger Cramer氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、示された。心身医学的介入は、うつ病への対応として一般的に用いられており、なかでもヨガは最も高頻度に用いられる心身医学的介入の1つである。Depression and Anxiety誌オンライン版2013年8月6日号の掲載報告。 研究グループは、2013年1月時点でのMedline/PubMed、Scopus、Cochrane Library、PsycINFO、IndMEDを介して、うつ病障害を有する患者またはうつレベルが高い人に対するヨガ介入の無作為化比較試験(RCT)を検索した。主要アウトカムは、うつ病重症度と寛解率、副次アウトカムは、不安症、QOL、安全性についてであった。 主な結果は以下のとおり。 ・12件のRCT、被験者合計619例が解析に組み込まれた。3件のRCTは、バイアスリスクが低かった。 ・うつ病重症度に関しては、ヨガのほうが通常ケアと比較して、わずかだが短期的効果のエビデンスが認められた(標準化平均差[SMD]:-0.69、95%信頼区間[CI]:-0.99~-0.39、p<0.001)。 ・リラクゼーション法との比較(SMD:-0.62、95%CI:-1.03~-0.22、p=0.003)、また有酸素運動との比較(同:-0.59、-0.99~-0.18、p=0.004)に関するエビデンスは限定的であった。 ・不安症に関して、リラクゼーション法と比較したヨガの短期的効果のエビデンスも限定的であった(同:-0.79、-1.3~-0.26、p=0.004)。 ・サブグループ解析では、うつ病性障害を有する患者、うつレベルの高い人への効果に関するエビデンスが示された。 ・長期的効果についてのメタ解析は、RCTの不足と不均一性により実行できなかった。また安全性については、データ報告をしたRCTがなかった。 ・上記を踏まえて著者は、「解析に含んだ試験には方法論的欠陥があるが、ヨガはうつ病患者およびうつレベルの高い人に対する補助的治療の選択肢と考えられた」と結論している。 関連医療ニュース 1日1杯のワインがうつ病を予防 抑うつ症状改善に“手紙による介入”は効果的か?:京都大学で試験開始 抗うつ薬による治療は適切に行われているのか?:京都大学 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Cramer H et al. Depress Anxiety. 2013 Aug 6. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)