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リクシアナ効能追加で静脈血栓症、心房細動に広がる治療選択肢

 2014年11月26日、都内にて「経口抗凝固療法の新潮流」をテーマにプレスセミナー(主催:第一三共株式会社)が開催された。本セミナーは、今年9月に同社のリクシアナ(一般名:エドキサバン)が、「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制(AF)」および「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制(VTE治療・二次予防)」に対する、効能追加承認を取得したことを受けて行われたものである。ここでは、孟 真氏(横浜南共済病院 心臓血管外科部長)によって講演された静脈血栓塞栓症にフォーカスし、レポートする。

うつ病+認知障害への有効な治療介入は

 うつ病と認知障害を有する高齢者に対しては、抗うつ薬の効果は限定的である。また、心理社会的介入の効果はこれまで十分に検討されていなかった。このような患者に対し、問題適応療法(problem adaptation therapy:PATH)が、認知障害支持療法(ST-CI)よりも、病状の低減に有効であることが、米国・ウェイル・コーネル・メディカル大学のDimitris N. Kiosses氏らによる無作為化試験の結果、報告された。JAMA Psychiatry誌オンライン版2014年11月5日号の掲載報告。

急性期統合失調症、2剤目は併用か 切り換えか:順天堂大学

 順天堂大学の八田 耕太郎氏ら精神科救急医療機関の多施設共同研究グループ(JAST study group)は、統合失調症の急性期患者でリスペリドンまたはオランザピンの早期治療反応不良(ENR)例について、それぞれへの切り替えvs. 追加併用の検討を行った。結果、リスペリドンENR患者でオランザピンへの切り替えは、オランザピン追加併用よりもわずかだが優れる可能性が、一方でオランザピンENR患者ではリスペリドン追加併用がリスペリドン切り替えよりもわずかに優れる可能性が示されたことを報告した。Schizophrenia Research誌2014年9月号の掲載報告。

双極性障害に対する非定型抗精神病薬比較

 スペイン・Health Value社のCarlos Rubio-Terres氏らは、双極性障害の治療薬としてのアリピプラゾールとオランザピンについて、有害事象の側面から医療費比較の検討を行った。その結果、アリピプラゾールのほうが、有害事象に関連するコストが低いことを報告した。Actas Espanolas Psiquiatria誌2014年9月号(オンライン版2014年9月1日号)の掲載報告。

抗うつ薬が奏効しないうつ病患者への抗精神病薬追加投与は本当に有効か

 抗うつ薬による治療後に症状が悪化した患者に対するうつ病治療(抗精神病薬による補助療法を含む)の有効性は十分に検討されていない。米国・カリフォルニア大学のJ Craig Nelson氏らは、抗うつ薬による治療で効果不十分であった大うつ病性障害患者に対するアリピプラゾール補助療法の有効性、安全性、忍容性を検討した。CNS spectrums誌オンライン版2014年3月18日号の報告。

統合失調症の認知機能改善に、神経ステロイド追加

 統合失調症治療に関して、認知機能障害をターゲットとしたさまざまな研究が行われている。イスラエル・Tirat Carmel Mental Health CenterのAnatoly Kreinin氏らは、最近発症した統合失調症(SZ)および統合失調感情障害(SA)における認知機能障害に対し、抗精神病薬に神経ステロイドであるプレグネノロン(PREG)を追加した場合の有用性を検討した。その結果、PREGの追加により視覚認知、注意集中欠如、実行機能などの改善が認められたことを報告した。Clinical Schizophrenia & Related Psychoses誌オンライン版2014年2月4日号の掲載報告。

StageII/III大腸がんでのD3郭清切除術「腹腔鏡下」vs「開腹」:ランダム化比較試験での短期成績(JCOG 0404)

 臨床的StageII/IIIの大腸がんに対して、日本のオリジナルであるD3リンパ節郭清を伴う腹腔鏡下手術の有効性および安全性はいまだ明らかではない。JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)により、全生存期間について開腹手術に対する腹腔鏡下手術の非劣性を検討するランダム化比較試験が実施されているが、今回、D3郭清を伴う腹腔鏡下手術の短期成績における安全性および臨床的ベネフィットが報告された。Annals of surgery誌オンライン版2014年2月6日号に掲載。なお、主要評価項目の解析結果については2014年のうちに報告される予定。

小児・思春期の双極性障害に対する非定型抗精神病薬vs気分安定薬

 米国・ヒューストン薬科大学のHua Chen氏らは、小児および思春期の双極性障害患者に対する非定型抗精神病薬と気分安定薬の有効性と安全性を比較検討する、後ろ向きコホート研究を実施した。その結果、非定型抗精神病薬は気分安定薬に比べ、治療中止や治療増強が少なく、より効果的で安全な治療選択肢となりうることが判明したと報告した。Pharmacoepidemiology and Drug Safety誌オンライン版2014年1月24日号の掲載報告。

SSRI/SNRIへの増強療法、コストパフォーマンスが良いのは

 うつ病患者において、抗うつ薬単独療法で寛解が得られるのは約3分の1にすぎず、その他の抗うつ薬に変更した場合でも累積寛解率は50~55%にとどまる。このような背景から、治療抵抗性うつ病のマネジメントとして増強療法への関心が高まっている。米国・IMS HealthのRolin L. Wade氏らは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬/ 選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SSRI/SNRI)に、第二世代非定型抗精神病薬(SGAs)またはL-メチルフォレートを併用する増強療法時のアドヒアランス、ならびに医療コストについて比較検討した。その結果、L-メチルフォレートのほうがSGAと比べて、抗うつ薬のアドヒアランスが高く保たれ、うつ病に特化したコストおよび全医療コストが低いことが示されたことを報告した。Journal of managed care pharmacy誌2014年1月号の掲載報告。