新規の抗てんかん薬16種の相互作用を検証 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/11/15 英国・UCL Institute of NeurologyのPhilip N. Patsalos氏らは、1989年以降に臨床導入された16種の新規の抗てんかん薬について、製剤間の薬物動態学的および薬力学的な相互作用に関するレビューを行った。てんかん患者の治療は生涯にわたることが多く、また複数の抗てんかん薬が処方されているのが一般的である。そのため相互作用がとくに重要になるが、今回のレビューでは、より新しい抗てんかん薬では相互作用が少ないことなどが明らかにされた。Clinical Pharmacokinetics誌2013年11月号の掲載報告。 本レビューの対象となった16種の抗てんかん薬は、レベチラセタム(イーケプラ)、ガバペンチン(ガバペン)、ラモトリギン(ラミクタール)、ルフィナミド(イノベロン)、スチリペントール(ディアコミット)、トピラマート(トピナ)、ゾニサミド(エクセグラン、エクセミド)、プレガバリン(本疾患には国内未承認)、エスリカルバゼピン酢酸塩、フェルバメート、ラコサミド、オクスカルバゼピン、ペランパネル、レチガビン、チアガビン、ビガバトリン(以上、国内未承認)であった。研究グループは、特定の相互作用の臨床的重要性の可能性について、わかりやすく相互作用試験の詳細を述べた。 主な知見は以下のとおり。 ・薬力学的相互作用は、主として相乗作用の副作用に関するものであったが、主な薬物動態学的相互作用は、肝酵素誘導または阻害に関するものであった。ただし、相乗作用の抗けいれんの例も存在した。 ・全体として、新しい抗てんかん薬は相互作用が少ないようであった。理由は大半が、腎に排出され肝代謝はされず(例:ガバペンチン、ラコサミド、レベチラセタム、トピラマート、ビガバトリン)、ほとんどが肝代謝誘導や阻害をしない(または最小限である)ためであった。 ・抗てんかん薬間の薬物動態学的相互作用については、総計139の詳述があった。 ・ガバペンチン、ラコサミド、チアガビン、ビガバトリン、ゾニサミドは、薬物動態学的相互作用が最も少なかった(5例未満)。 ・一方、多かったのは、ラモトリギン(17例)、フェルバメート(15例)、オクスカルバゼピン(14例)、ルフィナミド(13例)であった。 ・現時点では、フェルバメート、ガバペンチン、オクスカルバゼピン、ペランパネル、プレガバリン、レチガビン、ルフィナミド、スチリペントール、ゾニサミドは、あらゆる薬力学的相互作用が認められていなかった。 関連医療ニュース 難治性の部分発作を有する日本人てんかん患者へのLEV追加の有用性は? 検証!向精神薬とワルファリンの相互作用 抗精神病薬アリピプラゾール併用による相互作用は? (ケアネット) 原著論文はこちら Patsalos PN. Clin Pharmacokinet. 2013 Nov;52(11):927-66. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20)