20歳以上の米国成人で、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)高値の人の割合は、1999~2006年の間減少傾向にあり、2005~2006年の割合は21.2%であることが報告された。米国疾病対策センター(CDC)のElena V. Kuklina氏らの研究で明らかになったもので、冠動脈性心疾患の発症リスクにかかわらず同有病率を調べた研究結果は珍しいという。JAMA誌2009年11月18日号で発表されている。
全米20歳以上の7,044人を調査
研究グループは、NHANES(National Health and Nutrition Examination Survey)のデータのうち、空腹時検査を行った20歳以上で、妊婦とデータが欠落している人を除いた7,044人について、4研究期間(1999~2000年、2001~2002年、2003~2004年、2005~2006年)のLDL-C値を調査した。
LDL-C高値の定義は、NCEP ATP III(National Cholesterol Education Program Adult Treatment Panel III)に基づき、高リスク群は100mg/dL以上、中等度リスク群は130mg/dL以上、低リスク群は160mg/dL以上とした。
脂質低下薬の服用率も増加傾向
その結果、20歳以上成人のLDL-C高値の有病率は、1999~2000年の31.5%から、2005~2006年の21.2%に減少した(直線傾向のp<0.001)。ただし有病率はリスク群で差が見られ、高リスク群では同58.9%、中等度リスク群では同30.2%、低リスク群では同11.0%だった。
自己申告による脂質低下薬の服用率は、1999~2000年の8.0%から2005~06年の13.4%に増加した(直線傾向のp<0.001)。
一方で、過去5年間のスクリーニング実施率に変化はなく、調査期間を通じて70%未満に留まっていた。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)