治療抵抗性の発作性心房細動、高周波カテーテルアブレーション治療が有効

提供元:ケアネット

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公開日:2010/02/09

 



1種類以上の抗不整脈薬に抵抗性の症候性発作性心房細動患者に対して、高周波カテーテルアブレーション治療が、抗不整脈薬による治療よりも有効であることが示された。治療による有害作用の発症率も、カテーテルアブレーション治療群の方が薬物治療(ADT)群よりも低率だった。米国Loyola大学病院内科心血管研究部門のDavid J. Wilber氏らが行った、無作為化試験の結果からの報告で、JAMA誌2010年1月27日号で発表した。

治療不成功イベントの発生リスクは、アブレーション群が0.3倍




Wilber氏らが行った無作為化非盲検ベイズ流デザイン試験は、2004年10月25日~2007年10月11日にかけて、19ヵ所の病院で、167人の患者を対象に試験を開始し、2009年1月19日まで追跡した。

被験者は、1種類以上の抗不整脈に対して抵抗性を示し、また無作為化前6ヵ月以内に心房細動発作を3回以上経験していた。被験者数は、アブレーション群が106人、ADT群が61人だった。追跡期間は9ヵ月だった。

追跡期間中に、症候性発作性心房細動や初回アブレーション後80日以内の再アブレーションの実施など、事前に定義した治療不成功イベントの非発生率について、両群で比較した。

その結果、治療開始後9ヵ月間に治療不成功イベントが発生しなかった割合は、ADT群では16%だったのに対し、アブレーション群では66%にも上った。治療不成功イベントのアブレーション群のADT群に対するハザード比は、0.30(95%信頼区間:0.19~0.47、p<0.001)だった。

QOLスコアもアブレーション群で有意に改善




また、治療開始後30日間の、治療に関連する有害事象発生率は、ADT群では57人中5人(8.8%)だったのに対し、アブレーション群では103人中5人(4.9%)に留まった。

生活の質(QOL)スコアの平均値についても、治療後3ヵ月でアブレーション群がADT群に比べ有意に改善し、そのレベルを追跡期間中維持していた。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)