C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型が2型または3型に感染した患者に対し24週間、ペグインターフェロンとリバビリンを投与すると、約80%の患者でウイルス学的反応率が持続する。では投与期間を16週とした場合でも、この効果が持続するのだろうか。その効果を判定する大規模無作為化多国籍非劣性試験が、ACCELERATE研究グループによって行われた。NEJM誌7月12日号の報告から。
16週投与群と24週投与群で無作為化非劣性試験を実施
HCV遺伝子型2型または3型を有する患者1,469例に対してランダムに、16週または24週にわたって、リバビリン800mg(1日1回)とペグインターフェロンα-2a 180μg(週1回)を投与するよう割り付けた。持続的なウイルス学的反応とは、治療終了24週の時点で、血清HCV RNAが検出不能なレベル(<50 IU/mL)であることと定義された。
16週投与群は24週投与群より持続的ウイルス学的反応率は有意に低かった
結果は、16週群の持続的なウイルス学的反応率は、24週群と比べて有意に低かった(62%対70%、オッズ比0.67、95%信頼区間0.54-0.84、P<0.001)。また、再発(治療終了後にHCV RNAが検出不能であった患者で、フォローアップ中に検出可能なレベルになること)率は、16週群で有意に高かった(31%対18%、P<0.001)。しかし本研究で、16週投与が24週投与に対して非劣性であることは証明するには至らなかったともしている。
治療前の血清HCV RNAレベルが400,000IU/mL以下の患者の持続的なウイルス学的反応率は、16週群で82%、24週群では81%だった。迅速な抗ウイルス効果(治療終了後第4週までHCV RNA検出不能)を示した患者では、持続的なウイルス学的反応率は16週群で79%、24週群では85%だった(P = 0.02)。
これらから研究グループは、16週処方は、標準的な24週処方と比べ全体的に持続的ウイルス学的反応率は低いと結論づけた。
(朝田哲明:医療ライター)