がん患者におけるスタチン服用が、がん関連死低下と関連していることが示された。デンマーク・コペンハーゲン大学のSune F. Nielsen氏らがデンマーク国民について検討した結果、報告したもので、NEJM誌2012年11月8日号で発表した。これまで、体内に取り込むコレステロール量の減少は、がん細胞の増殖や転移を減じる可能性が示されており、研究グループは、スタチンをがんと診断される前から服用していた人ではがん関連死亡率が低くなるとの仮説を立て、検証を行った。
がん診断前のスタチン服用・非服用で、その後の死亡について追跡評価
デンマーク全住民の出生、出入国、移住、死亡を記録したDanish Civil Registration Systemを用いて検証した。
1995~2007年にがんと診断された患者を2009年12月1日まで追跡し、死亡について評価した。
40歳以上のがん患者のうち、がんの診断前からスタチンを定期服用していたのは1万8,721例だった。一方、スタチン服用歴がなかったがん患者は27万7,204例だった。
スタチン服用がん患者の全死因死亡ハザード0.85、がん死亡0.85
全死因死亡について、スタチン服用者の非服用者に対する多変量補正ハザード比は、0.85だった(95%信頼区間:0.83~0.87)。がん死亡については、同0.85だった(同:0.82~0.87)。
スタチンの1日服用量(1日当たりの推定平均維持量)別にみた全死因死亡の補正ハザード比(非服用者1日量0.00群を参照群)は、1日量0.01~0.75群の患者は0.82(95%信頼区間:0.81~0.85)、0.76~1.50群の患者は0.87(同:0.83~0.89)、>1.50群は0.87(同:0.81~0.91)だった。がん死亡ハザード比はそれぞれ、0.83(同:0.81~0.86)、0.87(同:0.83~0.91)、0.87(同:0.81~0.92)だった。
がんの種類別(13種類)にみてもスタチン服用者のがん関連死亡率は、非服用者と比較して低かった。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)