隔年マンモグラフィ検診導入後、乳がん死は約3割減/BMJ
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マンモグラフィ検診導入前後の乳がん死亡率比を検討した結果、導入後は乳がん死が約28%減少したことが、ノルウェー科学技術大学のHarald Weedon-Fekjaer氏らによる住民前向き追跡コホート研究から報告された。1970~80年代に行われた無作為化試験でマンモグラフィ検診は、乳がん死を予防可能であることが示され、ノルウェーでは1995~2005年に順次検診プログラムが導入されている。しかしその後、初期に行われた試験の方法論に問題があることが指摘され、結果の妥当性に疑念が及ぶこととなった。研究グループは、検診導入効果を検討する新たな試験を行うことは非現実的であるとして、今回観察研究のアップデートにより検診群と非検診群の比較を行い検討した。BMJ誌オンライン版2014年6月17日号掲載の報告より。
1986~2009年に全ノルウェー女性を前向きに追跡
前向きコホート研究は、1986~2009年に全ノルウェー女性を追跡して行われた。その間1995~2005年に、50~69歳の女性を対象に全国的なマンモグラフィ検診が隔年で行われた。ポアソン重回帰分析により推算した乳がん死亡率比で、検診招待群vs. 非検診招待群(検診招待効果を評価)を評価し、また、乳がんが診断されたケースの初回検診招待前(検診効果が期待できなかった)vs. 初回検診招待後(同効果が期待できた)の検討で明確な差を評価した。分析ではさらなる追跡で他の原因で死亡した女性は除外した。
また、2009年のノルウェーにおける全死因死亡および乳がん特異的死亡の複合で観察された死亡率の低下をベースとし、CISNET(Cancer Intervention and Surveillance Modeling Network)Stanfordシミュレーションモデルを用いて、50~69歳の女性が生涯、隔年で何回マンモグラフィ検診に招待される必要があるか(必要検診招待数)を推算した。
検診招待368例につき乳がん死1例予防
1986~2009年に観察された1,519万3,034人年のうち、乳がん死は初回検診招待後に診断された女性では1,175例、招待されることなく診断された女性では8,996例だった。年齢、出生コホート、居住地、全国的な乳がん死の傾向で補正後、検診招待の死亡率比は0.72(95%信頼区間[CI]:0.64~0.79)であった。すなわち、検診に招待された女性は招待されなかった女性と比べて、乳がん死リスクが28%減少したことが示された。
検診招待終了後(70歳時)も、乳がん死亡率に対する有益性が持続することが認められた。ただし有益性は時間とともに低下する可能性も認められ、招待終了5~10年後の補正後死亡率は、0.79(95%CI:0.57~1.01)となっていた。
必要検診招待数の検討では、乳がん死を1例予防するために、女性368例を検診に招待する必要があることが示された。
さらに、実際に検診を受けた女性(招待された女性の約76%)のマンモグラフィ効果については、乳がん死亡率は37%減少、乳がん死1例予防のための必要検診受診数は280例であると推算されている。
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