valve-in-valve法の1年生存率/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2014/07/25

 

 生体弁機能不全でvalve-in-valve法による経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)を受けた人の、1年生存率は83.2%であることが判明した。また、狭窄のある人は1年死亡リスクが約3倍に、小型弁を使用した人は同リスクが約2倍に、それぞれ増大することも示された。カナダ、セント・ポールズ病院のDanny Dvir氏らが国際レジストリのデータを分析して明らかにした。valve-in-valve法は侵襲性が低いアプローチ法として知られるが、施術後の生存に関する総合的な評価は、これまで行われていなかった。JAMA誌2014年7月9日号掲載の報告より。

植え込み弁は小型・大型が各3割、中型が4割
 研究グループは2007~2013年5月にかけて、55施設(欧州、北米、オーストラリア、ニュージーランド、中東)において生体弁機能不全でvalve-in-valve法によるTAVIを受け登録された459例を追跡し、生存率を調べた。

 植え込み弁の大きさは、小型(21mm以下、29.7%)、中型(21mm超~25mm未満、39.3%)、大型(25mm以上、31%)で、バルーン拡張型弁と自己拡張型弁の両方が含まれていた。

 被験者の平均年齢は77.6(SD:9.8)歳、56%が男性だった。

 主要評価項目は、生存率、脳卒中発症率、NYHA心機能分類とした。

1年生存率、狭窄は約77%、逆流は91%
 生体弁機能不全の原因は、狭窄が181例(39.4%)、逆流が139例(30.3%)、複合が139例(30.3%)だった。

 狭窄が認められた人で植え込み弁のサイズが小さい人の割合は37%であり、逆流例20.9%、複合例26.6%に比べ、有意に高率だった(p=0.005)。

 術後1ヵ月間に死亡した人は35例(7.6%)で、重篤な脳卒中の発症は8例(1.7%)であり、生存者のうちNYHA心機能分類でクラスIまたはIIの人は313例(92.6%)だった。

 Kaplan-Meier法による1年生存率は、全体では83.2%(95%信頼区間:80.8~84.7%、死亡62例、生存228例)だった。

 狭窄の認められた人の1年生存率は76.6%(同:68.9~83.1%、死亡34例、生存86例)で、逆流例91.2%(同:85.7~96.7%、死亡10例、生存76例)、複合例83.9%(同:76.8~91%、死亡18例、生存66例)に比べ、有意に低率だった(p=0.01)。

 また植え込み弁のサイズが小型の人も、1年生存率が74.8%(同:66.2~83.4%、死亡27例、生存57例)と、中型の81.8%(同:75.3~88.3%、死亡26例、生存92例)、大型の93.3%(同:85.7~96.7%、死亡7例、生存73例)に比べ、有意に高率だった(p=0.001)。

 1年死亡に関する小型弁のハザード比は2.04(同:1.14~3.67、p=0.02)、ベースライン時の狭窄の同ハザード比は3.07(同:1.33~7.08、p=0.008)だった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)