HIV-HCV重複感染にSOF+RBVが有効/JAMA

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2014/08/07

 

 HIV感染患者でC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1、2または3型にも重複感染している患者に対し、インターフェロンを用いない経口薬治療のソホスブビル(SOF)+リバビリン(RBV)は、12週間投与または24週間投与とも高い持続性ウイルス学的著効(SVR)を達成したことが報告された。米国・ジョンズホプキンス大学のMark S. Sulkowski氏らによる非盲検非無作為化非対照の第III相臨床試験の結果、示された。今回の結果について著者は、「さまざまな重複感染患者集団で、この経口療法の試験を進めるべき根拠が示された」とまとめている。JAMA誌2014年7月23・30日号掲載の報告より。

34施設でインターフェロン未治療・既治療223例を対象に検証
 試験は2012年8月~2013年11月に、米国とプエルトリコの治療施設34ヵ所で行われた。被験者は、HIV RNA値50コピー/mL以下で、CD4 T細胞数200個/μL以上で抗レトロウイルス療法(ART)を受けているか、CD4 T細胞数500個/μL以上でART未治療のHIV感染患者であった。

 試験に参加した患者は合計223例で、そのうち未治療でHCV遺伝子型1型(未治療1型)は114例、2または3型(未治療2、3型)が68例、既治療(ペグインターフェロン+リバビリン)で2または3型(既治療2、3型)が41例だった。

 未治療2、3型患者は、ソホスブビル400mgと体重ベースのリバビリンの治療を12週受けた。未治療1型患者、既治療2、3型患者には同様の治療が24週行われた。

 主要試験アウトカムは、SVR(血清HCV値25コピー/mL未満)達成患者の割合で、HCV治療停止後12週時点で評価した(SVR12)。

インターフェロン治療の有無、遺伝子型を問わず高いSVR12を達成
 SVR12達成患者は、未治療1型患者では87/114例(76%、95%信頼区間[CI]:67~84%)、未治療2型患者では23/26例(88%、同:70~98%)、未治療3型患者では28/42例(67%、同:51~80%)だった。また、既治療2型患者では22/24例(92%、同:73~99%)、既治療3型患者では16/17例(94%、同:71~100%)がSVR12を達成した。

 最も頻度が高かった有害事象は、疲労感、不眠症、頭痛、悪心であった。有害事象によりHCV治療を中断した患者は7例(3%)だった。HIVの疾患自体またはその治療への有害な影響はみられなかった。

(武藤まき:医療ライター)