開放隅角緑内障の患者に対し、眼圧降下薬ラタノプロスト(商品名:キサラタンほか)の点眼は、視野の維持期間を有意に延長することが、初のプラセボ対照無作為化比較試験で明らかになった。英国・ムーアフィールド眼科病院のDavid F Garway-Heath氏らが、516例について行った試験の結果、報告した。開放隅角緑内障治療では、視覚機能喪失の回避を目的に眼圧低下治療が行われるが、プラセボ対照試験は行われていなかった。Lancet誌オンライン版2014年12月18日号掲載の報告より。
ラタノプロスト0.005%を1日1回両眼点眼
Garway-Heath氏らは2006年12月1日~2010年3月16日にかけて、新たに開放隅角緑内障の診断を受けた516例を対象に、プラセボ対照無作為化三重盲検試験を行った。同グループは被験者を無作為に2群に分け、一方にはラタノプロスト0.005%を、もう一方にはプラセボをそれぞれ1日1回、両眼に点眼した。
主要評価項目は、24ヵ月以内の視野低下までの期間だった。
ラタノプロスト群の視野低下に関するハザード比0.44
被験者のラタノプロスト群(258例)のベースライン時平均眼圧は19.6mmHg、プラセボ群(258例)は20.1mmHgだった。
24ヵ月後の追跡評価が可能だった被験者のうち、ラタノプロスト群(231例)の平均眼圧減少幅は3.8mmHg、プラセボ群(230例)は0.9mmHgだった。
視野の維持期間については、ラタノプロスト群でプラセボ群に比べ有意に長かった(補正後ハザード比:0.44、95%信頼区間:0.28~0.69)。
重篤な有害事象は18例でみられたが、試験薬に関する報告はなかった。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)