お知らせがあります

2024/07/10
7月10日より「Web講演会」「CARENQ」の送信元メールアドレスを変更いたしました。
■変更前:seminar@carenet.co.jp、enquete@carenet.co.jp
■変更後:seminar@www.carenet.com、enquete@www.carenet.com
メールアドレスまたはドメインによる受信拒否や振り分けなどを設定されている方は、設定の変更をお願いいたします。

中高年の僧帽弁置換、機械弁vs. 生体弁/JAMA

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2015/05/01

 

 50~69歳の中高年患者について、僧帽弁置換術における機械弁vs. 生体弁の、生存およびアウトカムを調べた結果、15年時点で両群に有意な差はみられなかったことが報告された。米国・マウントサイナイ医科大学のJoanna Chikwe氏らが、ニューヨーク州の病院で手術を受けた同年齢集団3,433例を後ろ向きに分析し報告した。なお検討では、機械弁のほうが、再手術リスクが低く、出血および脳卒中リスクは大きいことが示され、機械弁よりも生体弁が妥当かとの所見がみられたが、著者は「15年のフォローアップでは生涯リスク、とくに再手術について評価をするには不十分である」とまとめている。非高齢者の人工弁置換を必要とする僧帽弁疾患患者において、機械弁か生体弁かの決定は、長期生存や罹患率が明確ではなくチャレンジングなこととされている。JAMA誌2015年4月14日号掲載の報告より。

手術を受けた3,433例から664組の患者ペアコホートを作成し、後ろ向きに分析

 対象は1997~2007年に施術を受けた患者で、2013年11月30日時点まで追跡を受けた。追跡期間の中央値は8.2(範囲:0~16.8)年であった。研究グループは、19のベースライン特性について傾向スコアを適合し、機械弁および生体弁の各患者664例ずつから成るコホートを得て分析した。

 主要エンドポイントは全死因死亡で、生存曲線と推定15年生存率で評価した。副次エンドポイントは脳卒中、再手術、重大出血イベントで、複合解析を行い、累積発生率と推定15年発生率で評価した。

推定15年生存率に有意差なし

 結果、生存に関しては、傾向スコア適合コホートにおいて、またサブグループの50歳代群と60歳代群別にみた場合も、機械弁群と生体弁群で差はみられなかった。傾向スコア適合コホートにおける数理計算上の15年生存率は、機械弁群57.5%、生体弁59.9%で、機械弁の生体弁に対するハザード比(HR)は0.95(95%信頼区間[CI]:0.79~1.15、p=0.62)であった。

 また、傾向スコア適合コホートにおいて、脳卒中および出血イベントの発生はいずれも機械弁群で有意に高率であった。脳卒中の発生は機械弁群14.0%vs. 生体弁群6.8%(HR:1.62、95%CI:1.10~2.39、p=0.01)、出血イベントは同14.9%vs. 9.0%(1.50、1.05~2.16、p=0.03)であった。

 一方で再手術の発生は、5.0%vs. 11.1%(0.59、0.37~0.94、p=0.03)で、機械弁群で有意に低率であった。

(医療ライター 武藤 まき)