高齢がん患者の病院死亡率とコスト、欧米7ヵ国で比較/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2016/02/04

 

 欧米先進7ヵ国で、がん患者の死亡した場所や死亡前半年間の医療費などを比べたところ、急性期病院での死亡割合はベルギーとカナダが最も高く過半数を占め、一方、米国やベルギーは20%台と低かった。死亡前半年間の医療費については、高額だったのはカナダ、ノルウェー、米国で1万9,000~2万2,000ドル、低額だったのは英国、オランダで9,000~1万1,000ドルだった。米国・ペンシルベニア大学のJustin E. Bekelman氏らが、2010年以降にがんで死亡した65歳超について、後ろ向きコホート試験を行った結果、明らかにされた。JAMA誌2016年1月19日号掲載の報告より。

ベルギー、カナダ、英国、ドイツ、オランダ、ノルウェー、米国を比較
 研究グループは、ベルギー、カナダ、英国、ドイツ、オランダ、ノルウェー、米国の欧米先進7ヵ国について、2010年以降のデータを基に、がん患者が死亡した場所や、医療サービスの利用状況、病院医療費などについて比較した。被験者は65歳超で、がんで死亡した人。対象被験者数は、ベルギー(2万1,054人)、カナダ(2万818人)、英国(9万7,099人)、ドイツ(2万4,434人)、オランダ(7,216人)、ノルウェー(6,636人)、米国(21万1,816人)だった。

 また、2次解析として、年齢を問わずがんで死亡した人や、65歳超で肺がんで死亡した人、2012年以降に65歳超で米国とドイツで死亡した人などを対象とした分析も行った。

ベルギーとカナダで50%超、コスト高はカナダ、ノルウェー、米国
 その結果、急性期病院で死亡した人の割合は、米国とオランダで最も低く、それぞれ22.2%と29.4%だった。一方、同割合が最も高かったのは、ベルギーとカナダで、それぞれ51.2%、52.1%と過半数だった。次いで、同割合が約4割を占めていたのは、英国、ドイツ、ノルウェーで、それぞれ41.7%、38.3%、44.7%だった。

 死亡前180日間に、集中治療室(ICU)に入室した人の割合は、米国が40.3%と高く、それ以外の国では同割合は18%未満だった。

 死亡前180日間の医療費について比較したところ、最も高かったのはカナダ(2万1,840ドル)で、次いでノルウェー(1万9,783ドル)、米国(1万8,500ドル)だった。その後、ドイツ(1万6,221ドル)、ベルギー(1万5,699ドル)、オランダ(1万936ドル)、英国(9,342ドル)と続いた。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)