米国の小児・思春期青少年(2~19歳)の肥満の有病率は、2011~14年は17.0%であり、極度の肥満(extreme obesity:年齢性特異的BMI値が95パーセンタイル以上の120%以上)の割合は5.8%であることが、米国疾病予防管理センター(CDC)のCynthia L. Ogden氏らにより報告された。1988~94年から2013~14年の動向を調査した結果で、肥満の有病率は、2~5歳児では2003~04年までは上昇、以降は減少したことや、6~11歳児では2007~08年までは上昇し、以降は横ばい、12~19歳では調査期間中は上昇していたという。JAMA誌2016年6月7日号掲載の報告。
1988~94年から2013~14年の米国民健康・栄養調査の2~19歳のデータを分析
調査は、1988~94年から2013~14年の米国民健康・栄養調査で体重と身長を測定した2~19歳の小児と思春期青少年を対象に行われた。2011~14年の肥満および極度の肥満の有病率を示すとともに、調査期間中の動向を明らかにすることが目的であった。
主要評価項目は、肥満で、性別にみたCDCの発育期BMI評価チャートで95パーセンタイル以上と定義した。極度の肥満は、同95パーセンタイルの120%以上と定義した。詳細推定値は2011~14年について算出し、有病率の線形・二次傾向の分析は、9つの調査対象期間(1988~94、1999~2000、2001~02、2003~04、2005~06、2007~08、2009~10、2011~12、2013~14年)で行った。また、2005~06年と2013~14年の間の動向も分析した。
2011~14年の有病率は17.0%、極度の肥満5.8%
分析には、4万780人の小児・思春期青少年が含まれた。平均年齢は11.0歳、女子が48.8%であった。
2~19歳において、2011~14年の肥満有病率は17.0%(95%信頼区間[CI]:15.5~18.6)であり、極度の肥満は5.8%(同:4.9~6.8)であった。
2~5歳の有病率は、1988~94年の7.2%(同:5.8~8.8)から2003~04年は13.9%(同:10.7~17.7)に上昇し(p<0.001)、その後2013~14年の9.4%(同:6.8~12.6)へと減少(p=0.03)がみられた。
6~11歳では、1988~94年の11.3%(95%CI:9.4~13.4)から2007~08年19.6%(同:17.1~22.4)へと上昇したが(p<0.001)、その後は変化がみられず、2013~14年は17.4%(同:13.8~21.4)であった(p=0.44)。
12~19歳では、1988~94年10.5%(95%CI:8.8~12.5)から2013~14年20.6%(同:16.2~25.6%)まで上昇が認められた(p<0.001)。
極度の肥満については、6~11歳は1988~94年3.6%から2013~14年4.3%に上昇(p=0.02)、12~19歳は同2.6%から9.1%へと上昇(p<0.001)していた。
なお、2005~06年と2013~14年の間について有意な変化の傾向はみられなかった(p値範囲0.09~0.87)。