糖尿病食事療法の新たな選択肢として脚光を浴びる糖質制限。まだ一部には、腎機能への悪影響などを危惧する懐疑的な意見があるのも事実です。この番組では北里大学北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生が最新のエビデンスを科学的に分析し、糖質制限に対するさまざまな危惧を払拭。さらに、実際の治療に取り入れる際のポイント、成功に導くテクニックも公開します。自信を持って糖質制限を勧められる知識とノウハウを詰め込みました!
第1回 いま、糖質制限食が必要です
糖尿病治療の新たな選択肢として注目を集める糖質制限。アメリカではすでに食事療法の一つとして認められているのです!
第1回は、 山田悟先生が提唱する「ゆるい」糖質制限の定義、そしてなぜ糖質制限が糖尿病大国アメリカで認められているのかを学会提言の変遷とともに解説します。
糖質を減らした分、脂質が増えていいの?といった疑問にも脂質を摂取することが動脈硬化や心血管疾患のリスクを低下させる…そんな研究結果を数多く引用し不安を払拭していきます。
第2回 すでに効果と安全性は認められています
今回は3つの大きな臨床研究を例に、糖質制限の効果と安全性に迫ります。
4種類の食事療法での減量効果を調べたATOZ試験。
糖質制限食・脂質制限食・高脂質食それぞれの減量効果や血糖値、脂質、血圧などに与える影響を調べたDIRECT試験とそのサブ解析。
そして日本人の糖尿病患者での効果を検討した北里研究所病院試験。
高脂質食や糖質制限食による脂質プロファイルの改善、また腎症3期でのeGFRの変化などを見ると、
腎機能への影響や動脈硬化のリスクも杞憂だったと感じるはず。
第3回 日本糖尿病学会は昔から認めています
日本糖尿病学会は糖質制限を否定している?
それは誤解だと山田先生は言い切ります。
昔も今も、否定されているのは「極端な」糖質制限のみであり、「ゆるい」糖質制限は許容されているのです。
そのことを理解するには、食品交換表、また日本糖尿病学会の糖尿病診療ガイドラインについて
注意深く読み解くことが必要。
そこで今回は、食品交換表の変遷を解説し、糖尿病診療ガイドラインの参考文献を丁寧に検証していきます。
情報を自分で精査するための知識として、観察研究と無作為比較試験の違いにも言及。
実践可能な食事療法として、「ゆるい」糖質制限が存在することをぜひ番組で体感してください。
第4回 三大栄養素比率にこだわる必要はありません
「炭水化物は総カロリーの50~60%摂取すべき」という定説、その根拠をひも解いてみると、実は明確なエビデンスがあるとは言い切れないということが今回のレクチャーでわかります。
糖質摂取量を減らすことで懸念される血管内皮機能の低下や筋肉量の減少など、様々ある言説が誤解であるということもエビデンスに基づいて解説します!
第5回 糖質制限は批判されるべきものではありません
糖質制限で動脈硬化になる?心血管疾患のリスクが高まる?いずれも過去の言説になりつつあります。
一概に蛋白といっても、その質によって動脈へ与える影響が異なることや、
欧米人と東アジア人では糖質摂取量による心血管リスクが異なることを最新のエビデンスを用いて解説します。
第6回 糖質制限はこうして実践できます
糖質制限レクチャー最終回は、導入方法をお教えします。
糖質制限を実際に導入するときに気を付けることは?糖質制限をしてはいけない症例は?
薬との併用はどう考えればいい?食事以外に変更すべきことはある?など糖質制限の導入にあたっての疑問に山田先生がお答えします。
糖質制限の特徴と注意点を押さえて、日常診療に役立ててください!