10~16歳の2型DMにリラグルチド追加は有効?/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2019/08/22

 

 2型糖尿病の小児・思春期患者(10~17歳)において、メトホルミンへのリラグルチド(1.8mg/日)追加投与は、基礎インスリン投与の有無にかかわらず、52週間にわたり血糖コントロール改善の効果があることが示された。ただし、消化器系有害事象の発現頻度がかなり高かった。米国・イェール大学のWilliam V. Tamborlane氏らが、135例を対象に行ったプラセボ対照無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2019年8月15日号で発表した。メトホルミンは、疾患初期の若い2型糖尿病患者の大半にとって選択肢として承認された血糖コントロール薬である。一方で、メトホルミン単独治療を受けていると血糖コントロールが早期に不能になることが観察されている。若い2型糖尿病患者においてリラグルチドの追加(基礎インスリンの有無を問わず)の安全性および有効性は明らかになっていなかった。

26週二重盲検の後、26週間非盲検延長
 研究グループは、10歳以上17歳未満の2型糖尿病患者135例を無作為に2群に分け(1対1)、リラグルチド(最大量1.8mg/日)またはプラセボの皮下投与を行った。試験は、26週間の二重盲検期間と、その後26週間延長しての非盲検下期間を設定して行われた。

 被験者の選択基準は、BMIが85thパーセンタイル超で、糖化ヘモグロビンが7.0~11.0%(食事療法と運動療法のみの治療下の場合)、または6.5~11.0%(基礎インスリンの有無を問わずメトホルミン治療を受けている場合)とした。

 試験期間中は、全被験者にメトホルミンが投与された。

 主要エンドポイントは、26週以降の糖化ヘモグロビン値のベースラインからの変化値だった。副次エンドポイントは、空腹時血糖値の変化などだった。安全性は、全試験期間を通して評価した。

糖化ヘモグロビン値、リラグルチド群で0.64ポイント低下、プラセボ群は上昇
 被験者135例のうち134例が、リラグルチド(66例)またはプラセボ(68例)を1回以上投与された。両群の人口動態的特性は類似していた(平均年齢は14.6歳)。

 主要エンドポイントの26週時点の解析では、糖化ヘモグロビン値はリラグルチド群で0.64ポイント低下した一方、プラセボ群は0.42ポイント増加した。推定治療差は-1.06ポイントだった(p<0.001)。同差は、52週時点までに-1.30ポイントに増大した。

 空腹時血糖値は、リラグルチド群では26週時と52週時で共に低下したのに対し、プラセボ群では上昇していた。

 有害事象が報告された患者数は両群間で類似していたが(リラグルチド群56例[84.8%]、プラセボ群55例[80.9%])、全有害事象発生率と消化器系有害事象の発生率はリラグルチド群で高かった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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コメンテーター : 吉岡 成人( よしおか なりひと ) 氏

NTT東日本札幌病院 院長

J-CLEAR評議員