ARBとACE阻害薬、COVID-19への影響みられず/NEJM

ARBおよびACE阻害薬が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のリスクに影響を及ぼすとのエビデンスは示されなかったことが、イタリア・University of Milano-BicoccaのGiuseppe Mancia氏らが同国ロンバルディア地方で行った、住民ベースの症例対照試験で示された。症例群の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染確認群は対照群と比べて、心血管疾患の有病率が30.1%と高く、ARB(22.2% vs.19.2%)やACE阻害薬(23.9% vs.21.4%)の使用率も高かったが、両薬とCOVID-19にいかなる関連性も認められず、重症化や死亡との関連性もみられなかった。NEJM誌オンライン版2020年5月1日号掲載の報告。
イタリア・ロンバルディア地方で住民ベースの症例対照試験
イタリア・ロンバルディア地方で行われた住民ベースの症例対照試験は、2020年2月21日~3月11日の間に、SARS-CoV-2感染患者6,272例と、性別・年齢・居住市町村でマッチングしたRegional Health Service加入者3万759例を対象に行われた。被験者の選択的薬物の使用情報と臨床プロファイルを、地域の医療サービス利用データベースから入手し、薬物と感染症の関連についてオッズ比(OR)とその95%信頼区間(CI)を、交絡因子を補正し、ロジスティック回帰分析により求めて評価した。
性差による違いもなし
被験者の平均年齢は68±13歳、女性は約37%であった。心血管疾患の有病率は、症例群30.1%、対照群21.7%(相対差:28.0%)で症例群が高く、ARB(22.2% vs.19.2%、相対差:13.3%)およびACE阻害薬(23.9% vs.21.4%、10.5%)の使用率も症例群が高かった。症例群全体において、ARBおよびACE阻害薬の使用とCOVID-19にいかなる関連性も認められなかった(ARBの補正後OR:0.95[95%CI:0.86~1.05]、ACE阻害薬の補正後OR:0.96[0.87~1.07])。重症患者や致死的経過をたどった患者においても同様であった(ARBの補正後OR:0.83[95%CI:0.63~1.10]、ACE阻害薬の補正後OR:0.91[0.69~1.21])。また、これらの変数の関連性について、性差はみられなかった。
(ケアネット)
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