新型コロナ感染妊婦、転帰良好で母子感染はまれ/BMJ

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染し入院した妊婦のほとんどは、妊娠中期後半~後期で、重症ではなくアウトカムは良好であり、母子感染はまれであることが明らかにされた。英国・オックスフォード大学のMarian Knight氏らが、同国でのCOVID-19で入院した妊婦を対象に、SARS-CoV-2感染の要因とその予後、ならびに母子感染について検討する前向きコホート研究の結果を報告した。なお、感染が認められ入院した妊婦の半数以上が黒人、アジア系および他の少数民族であったことから、著者はその割合の高さについて「早急な調査と解明が必要である」との見解を示している。BMJ誌2020年6月8日号掲載の報告。
全英でSARS-CoV-2感染が認められ入院した妊婦427例について解析
研究グループは、英国の産科全194施設が参加しているUK Obstetric Surveillance System(UKOSS)のデータを用い、2020年3月1日~4月14日の期間にSARS-CoV-2感染が確認され入院した妊婦427例を対象に前向きコホート研究を実施した。主要評価項目は、妊婦の入院率および新生児の感染率とし、妊婦の死亡率、レベル3の集中治療室(CCU)への入室率、胎児死亡率、帝王切開分娩率、早産率、死産率、早期新生児死亡率、新生児室への入室率についても検討した。
妊婦の転帰は良好、母子感染はきわめてまれ
SARS-CoV-2感染妊婦の推定入院率は、4.9/1,000人(95%信頼区間[CI]:4.5~5.4)であった。妊娠中にSARS-CoV-2感染が認められ入院した妊婦427例中、233例(56%)が黒人・アジア系・他の少数民族で、281例(69%)が過体重または肥満、175例(41%)が35歳以上、145例(34%)に合併症があった。解析時点で161例(38%)は妊娠継続中であり、266例(62%)が出産または妊娠中断(生児出産259例、流産4例、死産3例)に至った。266例中196例(73%)が正期産であった。
人工呼吸管理を必要としたのは41/427例(10%)、死亡は5例(1%)であった。
新生児265例(双子6組を含む)中12例(5%)がSARS-CoV-2 RNA陽性で、このうち6例の感染が確認されたのは産後12時間以内であった。
なお、本研究は進行中であり、全感染率や無症候性感染に関するデータについてはまだ提示されていない。
(医学ライター 吉尾 幸恵)
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