子宮内避妊具の装着、産後早期vs.標準/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2023/03/30

 

 子宮内避妊具(IUD)の産後2~4週での装着は産後6~8週での装着と比較し、完全脱落に関して非劣性が認められた。部分脱落については認められなかった。米国・カリフォルニア大学のSarah Averbach氏らが、無作為化試験の結果を報告した。IUDの装着は、エビデンスではなく先例に基づき、通常産後6週で行われる。産後2~4週の産褥期には妊娠しないことが知られていることや、米国産婦人科学会では産後3週以内での受診が推奨されており、通常よりも早期である産後2~4週でのIUD装着について検討が行われた。結果を踏まえて著者は、「これら装着時期による脱落リスクを理解することは、IUD装着のタイミングについての患者および臨床医のインフォームド・チョイスに役立つと考えられる」とまとめている。JAMA誌2023年3月21日号掲載の報告。

IUDの完全脱落について無作為化試験

 研究グループは、2018年3月~2021年7月に、米国の4施設において経腟分娩または帝王切開で出産しIUD装着を希望すると回答した産後10日以内の18歳以上の女性を登録し、産後14~28日(早期群)または42~56日(標準群)にIUDを装着するよう施設で層別化して1対1の割合で無作為に割り付け、6ヵ月間追跡調査した。IUDの種類(銅付加IUD、レボノルゲストレル放出IUD)は、参加者が選択した。

 主要アウトカムは、産後6ヵ月までの完全脱落率(非劣性マージン6%)で、盲検化された臨床医が経膣超音波検査でIUDの存在と位置を確認した。副次アウトカムは、部分脱落、IUD抜去、骨盤内感染症、患者満足度などであった。

完全脱落率は2.0% vs.0%、部分脱落率は9.4% vs.7.6%

 642例がスクリーニングを受け、適格基準を満たした404例が早期群(203例)と標準群(201例)に割り付けられた。404例の平均(±SD)年齢は29.9±5.4歳、46例(11.4%)が黒人、228例(56.4%)が白人、175例(43.3%)がヒスパニック系であった。

 404例中53例(13%)がIUDを装着せず、57例(14%)が追跡不能で、解析対象はIUDを装着し産後6ヵ月間の追跡調査を完了した294例(73%)であった。

 完全脱落は、早期群で149例中3例、(2.0%、95%信頼区間[CI]:0.4~5.8)、標準群で145例中0人(0%、0.0~2.5)、群間差は2.0%(95%CI:-0.5~5.7、p=0.04)であり、早期群の標準群に対する非劣性が認められた。

 部分脱落は、早期群では14例(9.4%、95%CI:5.2~15.3)、標準群では11例(7.6%、95%CI:3.9~13.2)に発生した(群間差:1.8%、95%CI:-4.8~8.6)。6ヵ月後のIUD使用率は、早期群141例(69.5%、95%CI:62.6~75.7)、標準群139例(67.2%、95%CI:60.2~73.6)であり、両群で同程度であった。

 骨盤内感染症が、早期群で3例報告された。

(2023年3月31日 記事内容を修正いたしました)

(ケアネット)