片頭痛の前駆症状/予兆期、ubrogepantは有効か?/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2023/11/28

 

 片頭痛の前駆症状/予兆(prodrome)期におけるubrogepant 100mgの服用は、プラセボと比較して中等度/重度の片頭痛発作を減少させ、忍容性は良好であった。米国・メイヨー・クリニックのDavid W. Dodick氏らが、米国内の研究センターおよび頭痛クリニック75施設で行われた多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー第III相試験「PRODROME試験」の結果を報告した。カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アゴニストのubrogepantは、片頭痛の急性期治療薬として承認されているが、片頭痛発作の最も早い段階である前駆症状/予兆が出現した際に服用した場合の有効性については不明であった。Lancet誌オンライン版2023年11月15日号掲載の報告。

前駆症状/予兆出現時に服用、24時間以内の中等度/重度頭痛の発現なしを評価

 研究グループは、前兆の有無にかかわらず片頭痛歴が1年以上あり、スクリーニング前の3ヵ月間に中等度~重度の頭痛を伴う片頭痛発作が月に2~8回あった18~75歳の患者を試験の対象とした。適格被験者は、前駆症状/予兆の初回出現時にプラセボを、2回目の出現時にubrogepant 100mgを投与する群(プラセボ群)と、初回にubrogepant 100mgを、2回目にプラセボを投与する群(ubrogepant群)に、自動双方向ウェブシステムによる4ブロック置換法を用いて1対1の割合で無作為に割り付けられた。被験者は、初回および2回目の服用後4日以内に受診し評価を受けた。

 試験期間中、介入提供者およびアウトカム評価者は、全員が割り付けに関して盲検化された。試験終了後のデータ解析担当者は盲検化されなかった。また、各被験者は二重盲検治療期間中、それぞれの前駆症状/予兆出現時に試験薬を2錠服用するよう指示された。

 主要エンドポイントは、試験薬服用後24時間以内に中等度または重度の頭痛が発現しないこととした。有効性の解析は、無作為化され試験薬を服用後24時間以内に、少なくとも1回の頭痛評価を受けた全患者を修正ITT[mITT]集団と定義し、対象集団とした。安全性の評価は、試験薬を少なくとも1回服用した全患者が対象であった。

中等度/重度頭痛の発現なし、ubrogepant群46%、プラセボ群29%

 2020年8月21日~2022年4月19日に、計518例が無作為化された。安全性評価集団は480例、mITT集団は477例であった。480例中421例(88%)が女性、男性は59例(12%)であった。

 服用後24時間以内に中等度または重度の頭痛が発現しなかった患者の割合は、ubrogepant群46%(190/418例)、プラセボ群29%(121/423例)であった(オッズ比:2.09、95%信頼区間:1.63~2.69、p<0.0001)。

 試験薬服用後48時間以内の有害事象は、ubrogepant群で456例中77例(17%)、プラセボ群で462例中55例(12%)に認められた。

(医学ライター 吉尾 幸恵)