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ASPECTS 0~5の広範囲脳梗塞にも血管内治療は有効か?/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2024/05/16

 

 ベースラインでの梗塞サイズの上限を設けずに試験登録した急性期広範囲脳梗塞患者において、血栓除去術+内科的治療は内科的治療単独と比べて、良好な機能的アウトカムをもたらし、死亡率も低下したことが示された。ただし症候性脳出血の発生率は高かった。フランス・Hopital Gui de ChauliacのVincent Costalat氏らLASTE Trial Investigatorsが、多施設共同前向き非盲検無作為化試験「LASTE試験」の結果を報告した。梗塞サイズの上限を設けない急性期広範囲脳梗塞患者における血栓除去術の使用については、これまで十分に検証されていなかった。NEJM誌2024年5月9日号掲載の報告。

ASPECTS≦5の急性期脳梗塞患者、血栓除去術併用vs.内科的治療単独を評価

 研究グループは、発症後6.5時間以内に、MRIまたはCTで前方循環の近位主幹動脈閉塞による広範囲脳梗塞が認められた18歳以上の患者を対象とした。広範囲脳梗塞の定義は、Alberta Stroke Program Early Computed Tomographic Score(ASPECTS、スコア範囲:0~10、低スコアほど梗塞が広範囲であることを示す)5以下とした。

 適格患者を1対1の割合で、血栓除去術+内科的治療を受ける群(血栓除去群)または内科的治療のみを受ける群(対照群)に割り付け追跡評価した。

 有効性の主要アウトカムは、90日時点の修正Rankinスケールスコアとした(スコア範囲:0~6、高スコアほど障害が大きいことを示す)。安全性の主要アウトカムは、90日時点の全死因死亡とし、安全性の副次アウトカムは、無作為化後24時間以内の症候性脳出血などとした。

90日時点の修正Rankinスケールスコア、4 vs.6で有意差あり

 2019年4月~2022年3月に、フランスの24病院とスペインの6病院で、計333例が無作為化された(血栓除去群166例、対照群167例)。このうち9例は同意撤回または法的理由により除外され、324例を対象に解析が行われた(血栓除去群159例、対照群165例)。

 両群のベースライン特性は類似しており、年齢中央値74歳、女性47.5%、ASPECTS中央値2(四分位範囲[IQR]:1~3)、ベースラインでの梗塞容積中央値135mL(IQR:106~185)であった。

 本試験は、同様の試験で血栓除去群が優れているとの結果が示されため、早期に中止された。なお、本試験では患者の34.9%が血栓溶解療法を受けた。

 90日時点の修正Rankinスケールスコア中央値は、血栓除去群4、対照群6であった(一般化オッズ比:1.63、95%信頼区間[CI]:1.29~2.06、p<0.001)。

 90日時点の全死因死亡率は、血栓除去群36.1%、対照群55.5%であった(補正後相対リスク:0.65、95%CI:0.50~0.84、p<0.001)。一方で症候性脳出血の発生が、それぞれ9.6%、5.7%報告された(補正後相対リスク:1.73、95%CI:0.78~4.68)。血栓除去群において、手術に関連した合併症が11例報告された。

(ケアネット)