高リスク局所進行子宮頸がん、ペムブロリズマブ+同時化学放射線療法がOS改善/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2024/10/03

 

 新規に診断された高リスクの局所進行子宮頸がん患者において、ペムブロリズマブ+同時化学放射線療法(CCRT)は、CCRT単独と比較して全生存期間(OS)を有意に延長したことが、「ENGOT-cx11/GOG-3047/KEYNOTE-A18試験」で明らかとなった。イタリア・Fondazione Policlinico Universitario A Gemelli IRCCS and Catholic University of Sacred HeartのDomenica Lorusso氏らENGOT-cx11/GOG-3047/KEYNOTE-A18 investigatorsが、第2回中間解析の結果を報告した。本試験の第1回中間解析では、ペムブロリズマブ+CCRTにより、無増悪生存期間(PFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が示されていた。著者は、先の中間解析の結果も踏まえ、「本研究の結果は、この患者集団に対する新しい標準治療として免疫化学放射線療法を支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2024年9月14日号掲載の報告。

第2回中間解析は、OSを評価

 本試験は、日本を含むアジア、オーストラリア、欧州、北米、南米の計30ヵ国176施設で実施されている無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験で、現在も進行中である。

 研究グループは、18歳以上で新規に診断された高リスク(リンパ節転移陽性でFIGO 2014 StageIB2~IIB、またはリンパ節転移を問わずStageIII~IVA)の局所進行子宮頸がんで、前治療歴がなくECOG PSが0~1の患者を、ペムブロリズマブ+CCRT群(ペムブロリズマブ群)と、プラセボ+CCRT群(プラセボ群)に1対1の割合で無作為に割り付けた。

 ペムブロリズマブは、1回200mgを3週間間隔で5サイクル投与した後、400mgを6週間間隔で15サイクル投与。CCRTは、シスプラチン(40mg/m2)を週1回5週(または6週)投与に加え、外照射と小線源療法を行った。ペムブロリズマブ、プラセボ、シスプラチンは静脈内投与した。

 患者は無作為化時に、計画された外照射の種類(強度変調放射線治療[IMRT]/回転型強度変調放射線治療[VMAT]vs.非IMRT/非VMAT)、スクリーニング時の子宮頸がんの病期(リンパ節転移陽性のFIGO 2014 StageIB2~IIB vs.III~IVA)、計画された全放射線治療(外照射+小線源)の線量(70Gy未満vs.70Gy以上[2Gy換算等価線量])により層別化された。

 主要評価項目は、治験責任医師の判定によるRECIST 1.1に基づくPFS、または病勢進行が疑われる場合の病理組織学的検査によるPFS、およびOSで、副次評価項目は安全性などであった。

3年OS率は82.6% vs.74.8%で、ペムブロリズマブ併用の優越性を確認

 2020年6月9日~2022年12月15日に、計1,060例がペムブロリズマブ群(529例)およびプラセボ群(531例)に割り付けられた。

 プロトコールで規定された2回目の中間解析(データカットオフ日:2024年1月8日)の結果、追跡期間中央値29.9ヵ月(四分位範囲:23.3~34.3)において、死亡はペムブロリズマブ群で75例、プラセボ群で109例に認められた。OS中央値は両群とも未到達であり、36ヵ月OS率はペムブロリズマブ群で82.6%(95%信頼区間[CI]:78.4~86.1)、プラセボ群で74.8%(70.1~78.8)であった。死亡のハザード比は0.67(95%CI:0.50~0.90、片側のp=0.0040[有意水準:片側0.01026])であった。

 ペムブロリズマブ群では528例中413例(78%)、プラセボ群では530例中371例(70%)にGrade3以上の有害事象が認められた。主なGrade3以上の有害事象は、貧血、白血球数減少、好中球数減少であった。免疫介在性有害事象は、ペムブロリズマブ群で528例中206例(39%)、プラセボ群で530例中90例(17%)に発現した。

(ケアネット)