局所進行子宮頸がん患者において、短期間導入化学療法後に化学放射線療法(CRT)を行うことで、CRTのみの場合と比較して無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)が有意に延長したことが、ブラジル、インド、イタリア、メキシコおよび英国の32施設で実施された無作為化第III相試験「INTERLACE試験」で示された。英国・University College Hospital NHS TrustのMary McCormack氏らINTERLACE investigatorsが報告した。局所進行子宮頸がんの標準治療はCRTであるが、再発する患者が依然として多く、転移がんにより死に至る。結果を踏まえて著者は、「この短期間導入化学療法レジメンと7日以内のCRTを現在の標準治療と考えるべきである」とまとめている。Lancet誌2024年10月19日号掲載の報告。
6週間のカルボプラチン+パクリタキセル導入化学療法後のCRT、PFSとOSを評価
研究グループは、18歳以上で新たに診断された局所進行子宮頸がん(FIGO進行期分類[2008年]のリンパ節転移を伴うIB1期、またはIB2期、IIA期、IIB期、IIIB期、IVA期)患者を、導入化学療法+CRT群(導入化学療法併用群)またはCRT単独群に1対1の割合で無作為に割り付けた。層別因子は、施設、病期、リンパ節転移の有無、3次元原体照射(3DCRT)vs.強度変調放射線治療(IMRT)、年齢、腫瘍径、組織型(扁平上皮がんvs.非扁平上皮がん)であった。
両群とも、CRTは、シスプラチン40mg/m
2を週1回5週間静脈内投与と、外部放射線療法(EBRT)(45.0~50.4Gyを20~28分割)および小線源療法で総線量2Gy相当の78~86Gyを達成することとした。導入化学療法併用群では、カルボプラチンAUC2とパクリタキセル80mg/m
2を週1回6週間静脈内投与し、7週目からCRTを行った。
主要評価項目は、ITT集団における治験担当医評価によるPFSならびにOSとし、全体の第1種の過誤確率を5%に制御するため階層的検定(固定順序法:PFS→OS)を行った。
PFS、OSともに導入化学療法+CRTで有意に延長
2012年11月8日~2022年11月17日に、適格基準を満たした500例が無作為化された(導入化学療法併用群250例、CRT単独群250例)。患者背景は年齢中央値46歳、354例(71%)がIIB期、56例(11%)がIIIB期で、骨盤リンパ節転移ありが215例(43%)であった。
導入化学療法併用群では、230例(92%)が5サイクルの導入化学療法を完了した。導入化学療法終了からCRT開始までの期間の中央値は7日であった。CRTでシスプラチンの5サイクル投与を完了した患者は、導入化学療法併用群では212例(85%)、CRT単独群で224例(90%)であった。EBRTが実施された患者で小線源療法も受けた患者は、導入化学療法併用群で242例中238例、CRT単独群で231例中224例、計462例(92%)であり、放射線治療期間の中央値は両群とも45日であった。
追跡期間中央値67ヵ月時点で、5年PFS率は導入化学療法併用群で72%、CRT単独群で64%、PFSのハザード比(HR)は0.65(95%信頼区間[CI]:0.46~0.91、p=0.013)であり、導入化学療法併用群でPFSの有意な延長が認められた。また、5年全生存率は、導入化学療法併用群80%、CRT単独群72%、ハザード比は0.60(95%CI:0.40~0.91、p=0.015)で、導入化学療法併用によりCRT単独と比較して死亡のリスクが40%減少することが示された。
Grade3以上の有害事象は、導入化学療法併用群で250例中147例(59%)、CRT単独群で250例中120例(48%)が報告された。
(ケアネット)