活動性ループス腎炎の成人患者において、タイプIIのヒト化抗CD20モノクローナル抗体オビヌツズマブ+標準治療は標準治療単独と比較して、完全腎反応をもたらすのに有効であることが、米国・Northwell HealthのRichard A. Furie氏らREGENCY Trial Investigatorsが行った第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果で示された。オビヌツズマブは、標準治療を受けているループス腎炎患者を対象とした第II相試験において、プラセボと比較して有意に良好な腎反応をもたらすことが示されていた。NEJM誌オンライン版2025年2月7日号掲載の報告。
76週時点の完全腎反応を評価
試験は15ヵ国で行われ、生検で活動性ループス腎炎と診断された18~75歳の成人患者を、オビヌツズマブを2種類の投与スケジュール(1,000mgを1日目、2週目、24週目、26週目、50週目、52週目に投与もしくは50週目は投与しない)のいずれかで投与する群、もしくはプラセボを投与する群に1対1の割合で無作為に割り付けた。全患者は無作為化時にミコフェノール酸モフェチルと経口prednisoneによる標準治療を開始し、経口prednisoneは12週目までに7.5mg/日、24週目までに5mg/日を目標用量として投与した。
主要エンドポイントは76週時点の完全腎反応とし、尿蛋白/クレアチニン比<0.5(尿蛋白、クレアチニンともmg単位で測定)、推算糸球体濾過量(eGFR)値がベースライン値の85%以上、および中間事象(レスキュー治療、治療失敗、死亡または早期の試験中止など)がないことと定義した。
76週時の重要な副次エンドポイントには、64~76週目のprednisone投与量が7.5mg/日以下で完全腎反応を得られていたこと、尿蛋白/クレアチニン比<0.8で中間事象がないことなどが含まれた。
完全腎反応はオビヌツズマブ群46.4%、プラセボ群33.1%で有意差
計271例が無作為化され、135例がオビヌツズマブ群(全投与スケジュール群)に、136例がプラセボ群に割り付けられた。ベースライン特性は両群でバランスが取れており、平均年齢(±標準偏差)はオビヌツズマブ群33.0±10.5歳、プラセボ群32.7±10.0歳、女性がそれぞれ114例(84.4%)および115例(84.6%)であった。また、ループス腎炎の初回診断時からの期間中央値は36.6ヵ月と34.3ヵ月、尿蛋白/クレアチニン比は3.14±2.99および3.53±2.76、eGFR値は102.8±29.3および101.9±32.2mL/分/1.73m
2などであった。
76週時点で完全腎反応が認められた患者の割合は、オビヌツズマブ群46.4%、プラセボ群33.1%であった(補正後群間差:13.4%ポイント[95%信頼区間[CI]:2.0~24.8]、p=0.02)。
64~76週目のprednisone投与量が7.5mg/日以下で76週時点に完全腎反応が認められた被験者は、オビヌツズマブ群がプラセボ群と比較して有意に多かった(42.7%vs.30.9%、補正後群間差:11.9%ポイント[95%CI:0.6~23.2]、p=0.04)。また、尿蛋白/クレアチニン比<0.8で中間事象がなく76週時点に完全腎反応が認められた被験者は、オビヌツズマブ群がプラセボ群と比較して有意に多かった(55.5%vs.41.9%、補正後群間差:13.7%ポイント[2.0~25.4]、p=0.02)。
新たな安全性シグナルは確認されなかった。重篤な有害事象は、主として感染症およびCOVID-19関連イベントで、COVID-19関連肺炎はオビヌツズマブ群(7例)がプラセボ群(0例)と比較してより多く報告された。
(ケアネット)