第1度房室ブロックの長期転帰

提供元:ケアネット

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公開日:2009/07/07

 



第1度房室ブロックが認められると、心房細動リスクは2倍、ペースメーカー装着リスクは約3倍、総死亡リスクは1.4倍にそれぞれ増大することがわかった。米国の大規模前向きコホート試験「Framingham Heart Study」の結果で、Susan Cheng氏らがJAMA誌2009年6月24日号で発表した。

7,575人中124人に第1度房室ブロック




試験は、1968~1974年から2007年にかけて、7,575人の被験者について、定期的に12誘導心電図検査が行われ、第1度房室ブロックの有無と心房細動、ペースメーカーの装着や総死亡率について比較された。試験開始時に、PR間隔の延長が0.20秒超の第1度房室ブロックが認められたのは、124人だった。

その結果、心房細動の発生率は、第1度房室ブロック群で140/1万人年だったのに対し、同ブロックのない対照群の同率は36/1万人年だった。

ペースメーカーの装着率については、第1度房室ブロック群が59/1万人年に対し、対照群では6/1万人年だった。総死亡率は、第1度房室ブロック群で334/1万人年に対し、対照群では129/1万人年だった。

総死亡率の絶対年間リスク増大は2.05%




第1度房室ブロックの認められた人は、心房細動リスクのハザード比は2.06(95%信頼区間:1.36~3.12、p<0.001)、ペースメーカー装着の同比は2.89(1.83~4.57、p<0.001)、総死亡率の同比は1.44(1.09~1.91、p=0.01)だった。

第1度房室ブロックがあることにより、心房細動の絶対年間リスクは1.04%、ペースメーカー装着は0.53%、総死亡率は2.05%、それぞれ増大した。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)