喫煙により、女性の大腿骨骨折リスクは増加するのか。中国・蘇州大学附属第二医院のGuang Si Shen氏らは、その関連性を明らかにするため、10件の前向きコホート試験のメタ解析を行った。その結果、喫煙は女性の大腿骨近位部骨折リスクと関連すること、禁煙後10年以上経つとリスクへの影響は減少することなどが判明した。著者らは、さらなる検討の必要性を示唆している。Injury誌オンライン版2015年4月20日号の掲載報告。
PubMed、Cochrane Central Register of Controlled Trials、ISI Web of Scienceを検索し関連論文を抽出、10件の試験を基にメタ解析が行われた。ランダム効果モデルおよび固定効果モデルを用い、リスクのプール推定値を求めた。研究間の不均一性および出版バイアスについても評価した。統計解析にはSTATA (version 12.0)ソフトウエアを用いた。
主な結果は以下のとおり。
・現在喫煙している女性において、相対リスク(RR)の有意な増加が認められた(pooled RR 1.30、95%CI:1.16~1.45)。この関連性は、1日15本以上喫煙する女性においては有意であったが、1日15本未満の女性においてはそうではなかった。
・プール推定値は、単一試験を除外してもほぼ変わらなかった。
・過去喫煙者における股関節骨折の相対リスクは発表論文で類似していた(RR 1.02、95%CI:0.93~1.11)。
・10年以上前に禁煙した女性では、リスクの影響は有意に減少した。
(ケアネット)