日本人中年男性の飲酒量と糸球体過剰濾過の関係~関西ヘルスケアスタディ
糸球体濾過量(GFR)は低値だけでなく、その数値が著しく高い糸球体過剰濾過についてもその後の腎機能低下や心血管疾患との関連が報告されている。大阪公立大学の柴田 幹子氏らは、健康な中年男性における飲酒パターンと糸球体過剰濾過リスクとの関連を評価した前向きコホート研究の結果を、Journal of Epidemiology誌2024年3月5日号に報告した。
本研究では、腎機能が正常で蛋白尿や糖尿病がなく、登録時に降圧薬使用のない日本人中年(40~55歳)男性8,640人を前向きに6年間追跡調査。飲酒量に関するデータはアンケートによって収集され、週当たりの飲酒頻度(1~3日、4~7日)および1日当たりの飲酒量(エタノール量0.1~23.0g、23.1~46.0g、46.1~69.0g、≧69.1g)で層別化された。糸球体過剰濾過は推定糸球体濾過量(eGFR)≧117mL/min/1.73m2と定義され、この値はコホート全体における上位2.5thパーセンタイル値に相当した。