NRG1融合遺伝子陽性がんへのzenocutuzumab、とくに期待できるがん種は?/NEJM
進行ニューレグリン1(NRG1)融合遺伝子陽性がんに対するzenocutuzumab(MCLA-128)の有効性および安全性を評価した第II相臨床試験の結果が、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのAlison M. Schram氏らeNRGy Investigatorsにより報告された。とくに非小細胞肺がん(NSCLC)および膵臓がんの患者において有効性が示され、有害事象の大部分は低Gradeであった。NRG1融合遺伝子は、複数の固形がんで確認されているリカレントながんドライバー遺伝子で、NRG1がヒト上皮成長因子受容体3(HER3)に結合し、HER2とのヘテロ二量体化と下流での腫瘍成長および増殖経路の活性化を引き起こす。zenocutuzumabは、HER2およびHER3を標的とする初の二重特異性抗体薬で、前臨床試験では複数の種類の腫瘍でzenocutuzumabの抗腫瘍活性が示されていた。NEJM誌2025年2月6日号掲載の報告。