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2024/07/10
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小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:17

自慰行為の進化上の利点とは?

 快楽のための行為と見なされがちな自慰だが、実際には、進化において重要な役割を果たしている可能性があるようだ。ヒトを含む霊長類の自慰行為は、少なくとも雄にとっては、生殖の成功率を高めるとともに性感染症(STI)への罹患リスクを低減させる効果のあることが、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のMatilda Brindle氏らによる研究で示唆された。この研究結果は、「Proceedings of the Royal Society B」6月7日号に掲載された。

思春期うつ病と脂質異常症との関連

 小児期および思春期のうつ病患者は、若年性心血管疾患(CVD)リスクが上昇するといわれている。思春期うつ病患者において、CVDの重要なリスクファクターである脂質異常症の兆候が認められているかは、よくわかっていない。カナダ・Sick Kids Research InstituteのAnisa F. Khalfan氏らは、思春期うつ病患者における脂質異常症の有病率を調査した。その結果、思春期うつ病患者の脂質異常症レベルは、健康対照群と同レベルであった。うつ病の経過とともに出現する脂質異常症のタイミングや思春期うつ病患者のCVDリスク増加に関連するメカニズムを明らかにするためには、今後の研究において、うつ症状と脂質関連検査値の軌跡を調査することが求められる。

医師によるうつ病の重症度評価と患者本人の苦痛の乖離に、幼少期の逆境体験などが関与

 医師が臨床的に評価した重症度よりも強い苦痛を感じているうつ病患者には、幼少期の逆境体験や自閉症傾向などが多く見られるとする、国立精神・神経医療研究センターの山田理沙氏、功刀浩氏(現在の所属は帝京大学医学部精神神経科学講座)らの研究結果が、「Clinical Psychopharmacology and Neuroscience」に5月30日掲載された。著者らは、「うつ病の重症度評価において、患者の主観的な苦痛の強さを把握することが、より重要なケースが存在する」と述べている。  近年、患者中心の医療の重要性が認識されるようになり、精神科医療でも治療計画の決定などに患者本人の関与が推奨されるようになってきた。これに伴い、うつ病の重症度についても、医師が評価スケールなどを用いて判定した結果と、患者への質問票による評価結果が一致しないケースのあることが分かってきた。ただ、そのような評価の不一致に関連する因子はまだ明らかにされていない。

点眼薬が子どもの近視の進行を抑制

 点眼薬によって子どもの近視の進行を抑制できることが、新たな研究から明らかになった。米オハイオ州立大学のKarla Zadnik氏らが行った、低用量アトロピンを用いた3年間にわたる二重盲検無作為化比較試験の結果であり、詳細は「JAMA Ophthalmology」に6月1日掲載された。  アトロピンは副交感神経の働きを抑える薬で、多くの症状の治療目的で用いられていて、眼科領域では検査のために瞳孔を広げる用途で使われている。今回の研究では、このアトロピンを毎日点眼した子どもはプラセボを点眼した子どもよりも、視力の低下が少ないことが示された。ただし専門家によると、この結果が近視に伴う問題の全てを解決するわけではないという。

小児への新型コロナワクチン、接種率を上げるために/ファイザー

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、5月8日に感染症法上の位置付けが5類に移行した。ワクチンや治療薬によってパンデミックの収束に貢献してきたファイザーは6月2日、「5類に移行した新型コロナウイルス感染症への対策や心構えとは~一般市民への最新意識調査の結果を交え~」と題してメディアに向けたラウンドテーブルを開催した。講師として石和田 稔彦氏(千葉大学 真菌医学研究センター感染症制御分野 教授)と舘田 一博氏(東邦大学 医学部 微生物・感染症学講座 教授)が登壇した。

抗CD7塩基編集CAR-T細胞療法、T細胞性ALLに有望/NEJM

 英国・Great Ormond Street Hospital for Children NHS TrustのRobert Chiesa氏らは、T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)の小児患者を対象とした、抗CD7塩基編集キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法の第I相試験において、最初の3例中2例で寛解が得られたことを報告した。CRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeats)によるシチジンの脱アミノ化は、DNAに切断を生じさせることなくシトシンからチミンへ極めて正確に塩基置換変異を起こすことができる。すなわち、転座やその他の染色体異常を誘発することなく遺伝子を塩基編集し不活性化できることから、再発T細胞白血病小児患者において、この技術の使用が検討されている。著者は、「今回の中間結果は、再発白血病患者に対する塩基編集T細胞療法のさらなる研究を支持するもので、また、免疫療法に関連した合併症の予想されるリスクも示している」とまとめている。NEJM誌オンライン版2023年6月14日号掲載の報告。

CKD-MBDガイドライン改訂に向けたデータの吟味/日本透析医学会

 日本透析医学会による慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)の診療ガイドラインが発表されてから10年以上が経過し、これまでに多くのデータが蓄積されてきた。そのデータを吟味し、今後のガイドラインのアップデートにつなげる目的として、2023年6月16日、日本透析医学会学術集会・総会のシンポジウム1「CKD-MBDガイドライン改訂に必要なデータを吟味する」にて、8名の医師からその方向性に関する報告と提案があった。

産後7日以内のオピオイド処方は乳児の短期予後に悪影響なし(解説:前田裕斗氏)

産後の疼痛に対するオピオイド利用は、母乳に移行することで乳児に鎮静や呼吸抑制などの有害事象を及ぼす可能性があり、これまでにいくつかの報告がなされていた。一方、母乳に移行する量はごく少量であることがわかっており、本当に母体のオピオイド利用が乳児に対して有害事象をもたらすのか、短期的影響について確かめたのが本論文である。出産後7日以内のオピオイド処方と、乳児の30日以内の有害事象の関係が検討された。結果として、主要アウトカムである再入院率に差は認められず、オピオイド処方群で救急受診は有意に高かったものの、乳児への有害事象はいずれについても両群で差を認めなかったことから、母体へのオピオイド処方は乳児に明らかな有害事象をもたらさないと結論付けられた。

大卒の社会人、ADHD特性レベルが高いのは?

 これまで、成人の注意欠如多動症(ADHD)と社会人口学的特徴を検討した研究の多くは、ADHDと診断された患者を対象としており、一般集団におけるADHD特性について調査した研究は、ほとんどなかった。また、大学在学中には問題がみられず、就職した後にADHD特性を発現するケースが少なくない。国際医療福祉大学の鈴木 知子氏らは、大卒の日本人労働者におけるADHD特性と社会人口学的特徴との関連について、調査を行った。その結果、大学を無事に卒業したにもかかわらず、大卒労働者ではADHD特性レベルは高いことから、ADHD特性レベルを適切に評価し、健康の悪化や予防をサポートする必要性が示唆された。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2023年4月5日号の報告。

小児喘息の罹患率や症状、居住環境が影響/JAMA

 米国都市部の貧困地域に居住する子供たちにおける、不釣り合いに高い喘息罹患率には、構造的人種主義が関与しているとされる。米国・ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のCraig Evan Pollack氏らは、MAP研究において、住宅券(housing voucher)と低貧困地域への移住支援を提供する住宅移動プログラムへの参加が、小児の喘息罹患率や症状日数の低下をもたらすことを示した。研究の成果は、JAMA誌2023年5月16日号で報告された。  MAP研究は、2016~20年に家族がBaltimore Regional Housing Partnership(BRHP)の住宅移動プログラムに参加した、持続型喘息を有する5~17歳の小児123例を対象とする前向きコホート研究である(米国国立環境健康科学研究所[NIEHS]の助成を受けた)。