小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

統合失調症と自閉スペクトラム症に共通する6つのポイント

 歴史的に、統合失調症と自閉スペクトラム症(ASD)は、一方は精神疾患、もう一方は神経発達障害として、それぞれ異なる疾患に分類されてきた。しかし近年の研究では、これら2つの疾患の間には、重複している部分が多い可能性が示唆されている。サウジアラビア・Northern Border UniversityのNahi Sabih Alruwaili氏らは、両疾患の類似点を示す疾患発症に関与する生物学的メカニズムについてのレビューを行った。Progress in Neuro-psychopharmacology & Biological Psychiatry誌オンライン版2026年6月11日号の報告。

子どものジュース摂取、多いと将来の高血圧リスク上昇と関連

 子どもがおやつの時間に飲むジュースは、将来の心血管の健康に悪影響を及ぼす可能性があるようだ。子どもの頃から果汁100%のジュースや砂糖入り飲料(sugar-sweetened beverage;SSB)を日常的に飲んでいると、成人期に高血圧を発症するリスクが高まる可能性が、新たな研究で示された。トロント大学(カナダ)栄養学・慢性疾患予防分野のカナダ・リサーチ・チェアであるVasanti Malik氏らによるこの研究結果は、「Circulation」に6月22日掲載された。Malik氏はニュースリリースで、「幼少期の食習慣は、その後の健康に長期的な影響を及ぼす可能性がある。高血圧は若年成人だけでなく、小児や思春期の若者でも増加しており、早期発見と予防の重要性が一層高まっている」と述べている。

ビタミンA高値は喘息患者の良好な肺機能と関連

 ビタミンAは、喘息を有する人の肺機能の改善に役立つ可能性がある。ビタミンAおよびビタミンDの肺機能に対する影響を検討した新たな研究で、血液中のビタミンA濃度が高いことは、喘息を有する小児と成人の双方において良好な肺機能と関連することが示された。一方、ビタミンDについては、効果が見られたのは成人の喘息患者のみであった。米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のMichael McGeachie氏らによるこの研究結果は、「Thorax」に6月30日掲載された。  ビタミンAおよびDは遺伝子発現を調節し、肺の発達に影響すると考えられている。喘息患者ではビタミンA欠乏症が多く見られ、これは気道の過敏性と関連していることが報告されている。

トゥレット症候群、当事者の深刻な実態が明らかに

 トゥレット症候群(TS)は、ときに冗談の対象として扱われることもあるが、当事者にとって極めて過酷な状態であることが、米トゥレット協会(TAA)が6月11日に公表した調査(2026 Impact Survey Report)で示唆された。この調査によると、TSまたはその他のチック症を有するティーンおよび成人の4人に1人が、生涯のどこかの時点で自殺を試みたことがあることが明らかになった。また、チック症を理由に差別を受けたと報告した割合も約7割に上った。  TAA会長兼CEOであるIan Lang氏はニュースリリースの中で、「2026年の調査結果は、TSおよびその他のチック症を抱える人が必要とする支援を確実に受けられるようにするために、いかに多くの課題が依然として残されているかを示す行動喚起である」と述べている。

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの遺伝子治療薬への期待/中外

 中外製薬は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対する国内初の再生医療等製品として、デランジストロゲン モキセパルボベク(商品名:エレビジス点滴静注)を2026年2月20日に発売した。この発売によせて、本剤の概要や治療における臨床的位置付けなどについて、発売後の適正使用推進体制の説明と合わせてメディアセミナーを開催した。  DMDは、筋肉に関わるタンパク質のジストロフィン産生に影響を及ぼすDMD遺伝子の突然変異が原因で発症する希少遺伝性疾患。幼少期に発症し、徐々に筋力が低下していくことで日常生活に大きな影響を及ぼすため、早期からの適切な治療介入が求められる。未治療だと呼吸不全などを起こし、生命予後に影響する。

猫との同居は小児喘息を悪化させる?

 猫を飼うと子どもの喘息が悪化するのではないかとの懸念がある中、その関連は認められないとする研究結果が報告された。スウェーデンの3万人以上の子どもを対象にした新たな研究で、猫と同居していても、子どもや10代の若者の喘息の重症度は悪化しないことが示された。カロリンスカ研究所(スウェーデン)のResthie Putri氏らによるこの研究結果は、「Frontiers in Allergy」に6月10日掲載された。Putri氏はニュースリリースの中で、「猫と暮らす子どもと猫と暮らしていない子どもとの間で、喘息の重症度、増悪、喘息コントロール、肺機能に違いは見られなかった。飼っている猫の数や性別、年齢による喘息アウトカムの違いも確認されなかった」と述べている。

小児の脳発達、最も強く影響するのは社会経済的要因

 9〜10歳の小児約1万2,000人を対象にした新たな研究で、小児の脳の構造や働きに最も強く関係するのは世帯収入や居住地域の社会経済的環境などの社会経済的要因であることが示された。米ワシントン大学医学部Mallinckrodt Institute of RadiologyのNico Dosenbach氏らによるこの研究結果は、「Science」に6月11日掲載された。  脳全体の関連研究(BWAS)は、脳MRI画像を用いて、知能指数(IQ)や精神症状などの個人特性、あるいは社会経済的地位などの生活環境の個人差と、脳の機能や構造との関連を網羅的に評価する研究である。過去のBWASでは、主にIQや精神病理と脳との関連が評価され、環境や経験が脳の発達に及ぼす潜在的な影響は十分に考慮されていなかった。

exa-cel細胞療法、小児の輸血依存性βサラセミア・鎌状赤血球症に有効/NEJM

 エクサガムグロゲン オートテムセル(exagamglogene autotemcel:exa-cel)は、体外でのCRISPR-Cas9法を用いた遺伝子編集により、BCL11A遺伝子の赤血球特異的エンハンサー領域で、胎児型ヘモグロビン合成を再活性化するように改変した自家CD34+造血幹細胞と前駆細胞を用いた細胞療法である。米国・Children’s Hospital at TriStar CentennialのHaydar Frangoul氏らは「CLIMB THAL-141試験」および「CLIMB SCD-151試験」において、exa-celの静脈内投与により、輸血依存性βサラセミアのすべての小児で輸血からの離脱が、鎌状赤血球症のすべての小児で重度の血管閉塞性発作の解消が達成され、その一方で全例にGrade3または4の有害事象が発現することを示した。研究の成果はNEJM誌オンライン版2026年6月11日号で報告された。

卵の早期導入で乳児の卵アレルギーが減少

 乳児期の早い段階に卵を与え始めることで、卵アレルギーの発症を減らせる可能性があることが、新たな研究で示された。この効果は、特に湿疹のある乳児で顕著であったという。クイーンズランド大学(オーストラリア)小児アレルギー学・疫学分野のJennifer Koplin氏らによるこの研究結果は、「JAMA Pediatrics」に6月8日掲載された。  卵アレルギーは、多くの国で幼児に最も多く認められるIgE介在性食物アレルギーである。研究グループによると、2016年に発表されたメタアナリシスでは、複数のランダム化比較試験の統合解析により、生後6カ月までに卵を導入した場合、それ以降に導入した場合と比べて卵アレルギー発症リスクが約44%低いことが示された(リスク比0.56)。

保護者の料理スキル、子どものレジリエンスや思いやり行動と関連

 子どもの心の健康には、家庭環境や親子関係が大きく関わることが知られている。今回、日本の小学生と保護者を対象とした縦断研究により、保護者の料理スキルが高いほど、子どものレジリエンス(困難への対処力)や向社会的行動(思いやり行動)が高い傾向にあることが示された。さらに、食に関する家庭習慣や親子の関わり、家族の結び付きが、この関連に一部関与している可能性も示唆された。研究は、東京科学大学大学院医歯学総合研究科公衆衛生学分野の谷友香子氏らによるもので、詳細は5月1日付の「BMC Psychology」に掲載された。