小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

鎌状赤血球症へのアルギニン療法、疼痛発作時間を短縮せず/JAMA

 鎌状赤血球症に伴う急性疼痛発作を有する小児および若年成人において、アルギニン療法はプラセボと比較し、疼痛発作消失までの時間を短縮しなかった。米国・エモリー大学のClaudia R. Morris氏らPediatric Emergency Care Applied Research Network(PECARN)が、同国の小児病院10施設で実施した第III相無作為化二重盲検比較試験「Sickle Cell Disease Treatment With Arginine Therapy trial:STArT試験」の結果で示された。鎌状赤血球症患者において、急性疼痛発作は救急外来受診や入院の主な原因であるが、米国食品医薬品局(FDA)により承認された治療薬は存在しない。急性疼痛発作中に患者は急性アルギニン欠乏を呈し、発作消失までの時間の延長や非経口オピオイドの総投与量が増加する。単施設で行われた複数の第II相無作為化試験では、アルギニンは安全でオピオイド使用量を減少させ、心肺機能を改善し、入院期間を短縮することが示されていた。JAMA誌オンライン版2026年8月19日号掲載の報告。

父親の超加工食品摂取が新生児の体格に関連か

 健康な妊娠の準備というと、通常は母親に焦点が当てられる。しかし、新たな研究で、父親の超加工食品(UPF)の摂取量は新生児の身体計測値と関連する可能性が示された。サンパウロ大学(ブラジル)のDaniela Sartorelli氏らによるこの研究結果は、「Nutrition Research」7月号に掲載された。Sartorelli氏は、「赤ちゃんの誕生前後を通じて、母親の栄養状態や健康についてはこれまでも注目されてきたが、父親の食生活がもたらす影響についてはほとんど語られてこなかった。この研究結果は、それが子どもの健康にも極めて重要であることを示している」と述べている。

児童生徒のサングラス・カラーレンズの使用に関する見解/日本眼科学会ほか

 児童生徒の学校生活におけるサングラス・カラーレンズなどの使用について、日本眼科学会、日本眼科医会 日本弱視斜視学会、日本小児眼科学会、日本近視学会、日本視能訓練士協会が共同で見解を発表した。  近年の紫外線対策への関心の高まりを受け、学校での着用を巡る議論が増えているが、今回の発表では「一律の常用は推奨せず、個々の特性や疾患に応じた個別配慮を求める」という方針が示されている。主要なポイントを以下に整理する。

ビレーズトリ14.4、気管支喘息の適応で承認/AZ

 アストラゼネカは2026年8月24日、ビレーズトリ14.4エアロスフィア56吸入/120吸入(一般名:ブデソニド[BUD]/グリコピロニウム臭化物[GLY]/ホルモテロールフマル酸塩[FOR]160/14.4/4.8μg)について、成人および12歳以上の小児における気管支喘息の治療薬として、製造販売承認を取得したと発表した。同剤は、吸入ステロイド薬、長時間作用性吸入抗コリン薬、長時間作用性β2刺激薬の3剤を単一吸入器に配合した固定用量配合剤である。

乳児の言語学習、アイコンタクトが重要な手がかりに

 子どもの言語学習では、話しかける際に目を合わせること(アイコンタクト)が重要である――新たな研究で、このような可能性が示唆された。アイコンタクトは、話し手と乳児の脳活動の同期に関与し、乳児はアイコンタクトを手がかりに重要な情報を選択していることが、英ケンブリッジ大学のVictoria Leong氏らによる研究で明らかになった。この研究の詳細は、7月22日付で「Nature Communications」に掲載された。Leong氏は、「親は、アイコンタクトや子どもの名前を呼ぶことなどの社会的な手がかりを使う必要性を意識しなければならない。こうした手がかりは、単に子どもの注意を向けさせるだけではなく、学習プロセスそのものを活性化させるからだ」と述べている。

双極性障害の個別化治療の意思決定に、EBI-BDツールが有用/BMJ

 双極性障害は、平均余命の短縮や治療順守率の低さと関連しており、その一因として薬剤の忍容性の低さや患者の意思決定への関与が不十分であることが挙げられるが、共有意思決定の改善に寄与する、エビデンスに基づく意思決定支援ツールは限られているという。スペイン・バルセロナ大学のMichele De Prisco氏らは、U-REACH(living umbrella review, evaluation, analysis, and communication hub)計画の枠組みに基づいて開発されたEBI-BD(evidence based interventions for bipolar disorder)のツールが、双極性障害の個別化治療の意思決定に有益であることを示した。研究の成果は、BMJ誌2026年8月11日号で報告された。

よくかめる小学生ほど体力が高い傾向、男子でより顕著

 子どもの口腔機能は、食べることだけでなく全身の発育や健康との関わりも注目されている。今回、日本の小学生約1,200人を対象とした研究で、よくかめる小学生ほど体力が高い傾向があり、その関連は男子でより顕著であることが明らかになった。研究は大阪大学大学院歯学研究科有床義歯補綴学・高齢者歯科学講座の平松里彩氏、高阪貴之氏らによるもので、詳細は7月6日付で「Journal of Dentistry」に掲載された。  子どもの体力は、現在の健康状態だけでなく将来の健康にも影響するとされ、体力に関わる要因を明らかにすることは公衆衛生上の重要な課題となっている。

ADHD治療薬、種類により体重への影響は異なる

 注意欠如・多動症(ADHD)の治療で広く用いられる2種類の中枢神経刺激薬、dexamphetamine(デキサアンフェタミン、デキストロアンフェタミン)とメチルフェニデートは、いずれも同程度に症状を改善するものの、体重に与える影響には違いが見られ、dexamphetamine群ではより体重が減少する傾向が認められたことが、臨床試験で示された。シドニー大学(オーストラリア)小児科・小児保健学分野のAlison Poulton氏らによるこの試験の詳細は、7月7日付で「Journal of Paediatrics and Child Health」に掲載された。

インフルエンザワクチンの有効性、前シーズンの感染・接種歴で変動―17シーズン解析

 前シーズンのインフルエンザ感染歴は今シーズンのワクチン有効性(VE)を高め、前シーズンの接種歴はVEを減弱させることが、日本臨床内科医会 インフルエンザ研究班の河合 直樹氏らによる日本での17シーズンにわたる前向きコミュニティベースコホート研究の解析で示された。今シーズン未接種者における罹患率(AR)は、前シーズン接種歴のある小児で14.0%、接種歴のない小児で8.6%と有意差が認められた(p<0.001)。研究成果はThe Journal of Infectious Diseases誌オンライン版2026年7月11日付で発表された。 本研究は、日本で2002~03年シーズンから2018~19年シーズンにかけて実施された17シーズンにわたる前向きコミュニティベースコホート研究のデータを用いた解析である。

妊娠期の暑さへの曝露が子どもの脳の発達に影響か

 気候変動が子どもの脳発達に影響を及ぼす可能性があるようだ。妊娠期および乳児期に高温環境にさらされることが、その後の視床の成長速度の低下と関連することが、新たな研究で示された。視床は、嗅覚を除く全ての感覚情報を大脳皮質へ送る中継点の役割を果たすほか、運動調節や意識、記憶、情動のコントロールにも関与している重要な脳領域である。バルセロナ国際保健研究所(スペイン)のEsmée Essers氏らによるこの研究成果は、「Environment International」8月号に掲載された。Essers氏は、「今後の研究では、人生早期の暑さへの曝露が神経発達障害の発症に関与するかどうか、また視床の発達の変化が両者の関連を説明する手がかりとなるかどうかを検討する必要がある」と述べている。